最新記事

キャリア

AI時代に「超高収入」ファイナンスの専門職は生き残れるか

2017年9月26日(火)16時51分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 依頼を受けているということは、私の会社はいわゆるプロの「傭兵」であり、実際の現場では自国の兵士よりも役に立たなかったなんてことは許されません。クライアントも、それ相応の、あるいはフィー以上の成果を求めているので、クライアントの既存の従業員や経営幹部たちが束になっても出すことのできない策や手法を、私たちは頭がちぎれそうになるまで真剣に考えます。

 それだけでなく、私は仕事の依頼を受ける際、その企業の様々なデータを集めながら、独自の分析を行っていくのですが、クライアントの社内の有力者たちがどのような考えや見解を持っていて、どのような意思決定プロセスでその企業の意思決定が行われるのかも見落とさないように観察していきます。なぜそのようなところを観察するのかというと、私たちの会社がファイナンスの技法を使ってどのような良策を生み出したとしても、結局、その策について最終意思決定をするのはその会社になるからです。

 インパクトのある意思決定案を出すだけではまだ足りない、というのがビジネスの世界の現実なのです。ビジネスは1人だけでできるものではありません。

 インパクトのある意思決定を行うためには、人を動かす力も必要なのです。

 AI時代を迎えるなかで、プロフェッショナルと呼ばれる人の条件は、いかに多くの責任を伴った意思決定活動をしているか、また、それを実現するためにいかに人を動かし、ビジネスの核となる部分にインパクトを与えているかという点になってくるでしょう。

※第2回:仕事も投資も「アセットアロケーション」でほとんど決まる!


『ファイナンスこそが最強の意思決定術である』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米CB消費者信頼感、12月は予想下回る 雇用・所得

ワールド

トランプ氏「同意しない者はFRB議長にせず」、就任

ワールド

イスラエルのガザ再入植計画、国防相が示唆後に否定

ワールド

トランプ政権、亡命申請無効化を模索 「第三国送還可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中