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会社の資産を「勝手に現金化」して持ち逃げ...M&A急増の陰で「買い手が売り手を騙す」事例が続発

2025年10月3日(金)20時48分
山﨑卓馬(クロール日本支社長)

M&A取引を安全に行うために必要な備えとは?

まずは当事者の公開情報は最低限調べるべきだ。理想的には、企業インテリジェンスを駆使して深度のある公開情報では得られない情報(インテリジェンス)を得ることで、特定された一つ、あるいは複数のリスクについて、①吸収できるか否か、②保険などで移転できるか、③回避するための措置の検討およびその実現性、④吸収できないので取引は断念する、の判断をすることができる。

欧米諸国のグローバル企業を見ると、利害関係者の取引歴や会社状況、内部実態や評判までを企業インテリジェンスを駆使して徹底的に調べ上げ、多額が動くM&Aの取引を安全に行えるように備えている。

日本ではまだ企業インテリジェンスの活用は一般的ではないが、だからこそ、M&Aでトラブルが発生してしまう隙ができてしまうと言っても過言ではない。特に、まだM&Aの規制が緩い日本では、自分たちの身は、自分で守るしかないという自覚が必要だ。

M&Aの買収案件では、案件持ち込みの経緯、相手の売却動機を把握した上で、実際に自社で調べて把握した相手の実態、実績、素性、評判などと照らし合わせて判断する必要がある。また現在では、経済安全保障の観点から、会社を売る企業側は、買い手側が買収したい動機と、ヒト・モノ・カネの観点から、経済安全保障リスクの分析をしなければならない。

そして、守りの観点で言えば、株の買い増しを行う海外のアクティビストあるいはファンドによる動きがみられた場合には、今の時代には、早期に企業インテリジェンス対策を発動することが肝要であると言えるのだ。

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