アルゼンチン経済にまさかの奇跡、インフレ克服と成長回復のカギは

Argentina's Javier Milei Keeps Proving His Critics Wrong

2025年7月9日(水)18時47分
ヘスス・メサ

エル・セポの廃止後、アルゼンチン・ペソは管理変動相場制に移行し、公式為替レートと闇市場の為替レートとの乖離は縮小した。 中央銀行の外貨準備高は、IMFからの融資、中国との50億ドルのスワップ協定、外国銀行団からの新規融資によって強化され、過去2年間で最高の水準まで増加した。

さらにミレイは2024年末、家賃統制法を廃止した。家主の賃貸意欲を削いでいた賃貸料の値上げ制限がなくなると、ブエノスアイレスでは数カ月のうちに賃貸住宅の供給が195%急増し、より多くのアパートが市場に戻ってきたため、募集価格の中央値は約10%下落した。

社会主義労働者党(PTS)や労働者左翼戦線など一部の左派・社会主義団体は当時、この動きは借主を犠牲にして家主を優遇するものだと批判した。だが現実はその逆で、賃貸物件の供給は急増している。

アルゼンチン最大の不動産プラットフォーム「ゾナプロップ」によると、賃貸物件は改革前の約5500件から1万5300件以上に急増し、180%増加した。増加の3分の1は、規制緩和後の最初の1カ月で発生した。

「われわれの大統領は世界最高だ」と、アルゼンチンのルイス・カプト経済大臣は、最近の成長率の数字を引用しながらXに投稿した。

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