トランプ関税で女性用下着の価格が高騰へ...最も影響を受けるのは、キム・カーダシアンの「SKIMS」
Women's Underwear Prices Could Soar Under Trump Tariffs
Statistaの調査によると、2022年のアメリカの女性用ナイトウェア・下着市場は227億ドル(約3兆5000億円)に達し、この額は他国を大きく上回っている。国内での生産体制が乏しい中、アメリカの下着メーカーは関税の影響を回避する手段が限られる。
業界ロビー団体「Lot Sixteen」のナシム・ファッセル氏は、「ファッション業界のイベントで誰もがベトナムの先行きに神経を尖らせている。今やどこに行っても安全とは言いがたい」とトランプ大統領の通商戦略に懸念を示した。
どの衣料ブランドが影響を受けるのか?
最も影響を受けると見られているのが、キム・カーダシアンが設立した「SKIMS(スキムス)」に代表されるシェイプウェア(補正下着)業界だ。
合成繊維の使用や不透明な生産体制について環境団体から批判が出ているほか、労働者の低賃金や環境負荷の問題が深刻であると非営利団体「アースディ」が非難する同社の製品はタイと中国で製造されている。
他にも、ナイキは2024年時点で衣料品の28%、フットウェアの50%をベトナムでの生産に依存しており、関税強化の影響は避けられない。金融サービス会社「モーニングスター」のアナリストであるデビッド・シュワルツ氏は「ベトナムに関税がかかれば、ナイキは大問題を抱える」と話す。
また、「アディダス」、「ルルレモン」、「コロンビア」、そして(「ザ・ノース・フェイス」や「ティンバーランド」などを所有する)「VFコーポレーション」などの大手アスレジャーブランドもベトナムでの生産依存度が高い。
「アメリカンイーグル」のマイケル・マティアスCFO(最高財務責任者)は、「当社製品の20%がベトナム製であり、今後、削減を図りたい」と決算説明会で述べた。しかし、ジェイ・ショッテンスタインCEOは「焦って動くべきではない。急いでどこへ行くというのか」と慎重な姿勢を示している。