DeepSeekが欧州にチャンス、「ChatGPT」から乗り換え...低価格AIで米国追撃

ドイツの人工知能(AI)スタートアップ企業ノボAIを率いるヘマンス・マンダパティ氏は2週間前、利用している生成AIを米オープンAIの「チャットGPT」から中国企業ディープシークのモデルにいち早く切り替えた。写真は同アプリ使用中の画面。1月29日、サラエボで撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
ドイツの人工知能(AI)スタートアップ企業ノボAIを率いるヘマンス・マンダパティ氏は2週間前、利用している生成AIを米オープンAIの「チャットGPT」から中国企業ディープシークのモデルにいち早く切り替えた。
ベンチャーキャピタリストの会議に参加するため訪れたスウェーデン南部ヨーテボリでインタビューに応じたマンダパティ氏は「オープンAI(のモデル)を使ってアプリを構築していれば、簡単に他のモデルに移行できる。ほんの数分の作業だった」と語る。
ディープシークの出現はAI業界の景色を変えつつある。各企業が従来に比べてごくわずかの費用で利用可能な技術を提供しているからだ。ロイターが取材したスタートアップ企業幹部や投資家は口をそろえてこうした見方を示した。
マンダパティ氏も、ディープシークのサービス利用料金は実勢の5分の1程度で、ノボAIとしては多額の資金を節約できたし、利用する側にとってはこれまでと何の違いもないと述べた。
米国勢に比べて資金調達面でハンディのあった欧州のスタートアップ企業は、最新のAI技術の採用に後れを取ってきた。しかし複数の業界幹部は、ディープシークが状況を一変させる「ゲームチェンジャー」になり得ると期待を寄せる。
ディープシークのモデルを早速採用した英企業ネットマインド・ドットAIのシーナ・レジャル最高商業責任者は「AIの民主化と、巨大テック企業との競争条件平等化に向けた大きな一歩を意味している」と語った。
バーンスタインのアナリストチームの試算に基づくと、ディープシークのモデルの利用料金はオープンAIの同等製品の20分の1から40分の1に設定されている。
例えばオープンAIは100万トークン当たりの料金が2.5ドルだが、ディープシークは現在、同じ基準で0.014ドルだ。
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