最新記事
AI

DeepSeekが欧州にチャンス、「ChatGPT」から乗り換え...低価格AIで米国追撃

2025年2月5日(水)08時54分

ディープシークについては、オープンAIのデータを不正に利用したのではないか、あるいは中国の印象を悪くするような回答を検閲で規制しているのではないか、といった疑念も出ている。

それでもベンチャーキャピタル企業ノースゾーンのパートナー、サンジョット・マルヒ氏は「ディープシークの企業としての未来を予測するのは難しいが、(業界の)構造的な影響はかなり広範囲に及んでいるように見受けられる」と指摘した。


 

業界への警鐘

調査会社ピッチブックのデータによると、昨年ベンチャーキャピタル企業によるAI企業への投資額は米国が1000億ドル弱だったのに対して、欧州は約158億ドルにとどまった。

今年1月22日には、トランプ米大統領がソフトバンクグループ、オープンAI、オラクルによる最大5000億ドル規模のAIインフラ向け投資プロジェクト「スターゲート」を発表したばかりだ。

一方で欧州におけるAI投資は比較的低調な状況にある。

オープンAIやメタ、アンソロピック、グーグルといった米国勢が並ぶ支配的な基盤モデルの市場で、欧州勢ではかろうじてフランスのミルストラルだけが名を連ねている。

そこにディープシークが登場して注目を集めた。1月に公表した論文で、同社の大規模言語モデル「V3」の学習に際して、エヌビディアのそれほど先端的でない半導体「H800」を使って費やしたのは600万ドル弱だったと明らかにしたためだ。それ以降、ディープシークのアプリはアップルのアプリストアのダウンロード数ランキングでチャットGPTを抜いて首位に立っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中