最新記事
マネジメント

リーダーの「自己防衛」が、チームの崩壊を招くリスクに...いま職場でチームレジリエンスが必須な理由

2024年9月14日(土)15時52分
flier編集部

安斎 経営の不確実性が高まる中、経営層は孤独で疲弊し、現場のメンバーも疲弊しています。その間に挟まれ、多くの矛盾にさらされているのが中間管理職です。対処すべき課題が増大して、個々人がバラバラにモグラ叩き(課題に対応したそばから別の課題が発生する)に明け暮れてしまっています。

大事なのは、「ゲームのルールを見直すほうがいいんじゃないか?」などと、チームで立ち止まって考えられるかどうか。すると、チームの役割分担や情報共有の仕組みを見直さないといけない、などとチームの学習が進んでいく。レジリエンスの高いチームは、このように振り返りをして再現可能な教訓を言語化するので、必然的に成長を経験していくのです。


『チームレジリエンス』筆者の池田めぐみ氏と安斎勇樹氏

池田めぐみさんと安斎勇樹さん(flier提供)

オリエンタルラジオは、なぜ、何度叩かれても這い上がれるのか?

──チームレジリエンスを発揮した事例としてお二人が注目しているものは何ですか。

池田 2024年1月2日に起きた日本航空516便衝突炎上事故で、炎上する機体から乗員乗客379人がわずか18分で全員脱出しました。この奇跡の救出劇を支えたCA(客室乗務員)たちの避難誘導は、まさにチームレジリエンスを発揮した好事例だと考えています。

この脱出を支えた一因が「90秒ルール」です。旅客機の乗員は年に一度、90秒以内の避難誘導を訓練します。つまり、「被害を最小化する」ステップとして事故が起きたときの動き方をしっかりトレーニングしていた。このことが、CAたちの迅速かつ冷静な判断を支え、乗客の安全確保につながったのではないでしょうか。

このように、困難を完全に避けられなくても、充分な備えによって困難に対処しやすくなるのです。

安斎 企業以外の事例で注目しているのが、お笑いコンビの「オリエンタルラジオ(以下オリラジ)」です(笑)。

芸人やインフルエンサーは、一躍有名になったかと思えば、その波が一気に引いていってしまうもの。オリラジの場合、藤森さんと中田さんは「武勇伝」ネタで一世を風靡するものの、冠番組の終了とともに人気が低迷してしまいます。ところが、藤森さんの「チャラ男」で再ブレイクしつつ、中田さんは自分たちの失敗談を「しくじり先生」でオープンにした。プレゼンテーション芸がウケた中田さんは、YouTube開始半年でチャンネル登録者数100万人を突破しました。そしてオリラジの楽曲「PERFECT HUMAN」が大ヒットへ。これは、オリラジ本来の強みといえる「武勇伝」を刷新して活かしたもの。

彼らは低迷しても大炎上しても、現状を分析し、そのたびに盛り返してきた。まさにチームレジリエンスを体現した事例といえるでしょう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請件数は横ばいの21.3万件、労働

ワールド

イラク海域のタンカーで小規模爆発、イランが遠隔操作

ワールド

情報BOX:米・イスラエルのイラン攻撃後の中東にお

ワールド

米ウクライナ、3者協議延期・開催地変更を検討=ゼレ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「え、履いてない?」モルディブ行きの飛行機で撮影…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中