最新記事
仕事術

まじめに頑張る人ほど苦戦...「できる営業」は何が違う? 2万人調査で見えた「できない営業」の問題点

2024年7月17日(水)11時22分
flier編集部
真面目な営業が「売れない」理由

aomas/Shutterstock

<「がんばっているのに売れない」のはなぜなのか? 2万人調査から科学的に解き明かした「できる営業」「できない営業」の明確な違い>

「がんばっているのになぜ売れないんだろう」「お客様の要望を聞いているのに契約に至らない」──。令和の今も「努力」が重視される営業の世界ですが、そのセオリーは本当なのでしょうか。

そんな疑問に切りこんだのが、『営業の科学』(かんき出版)です。著者は『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』『無敗営業 チーム戦略』(日経BP)などのベストセラーで知られ、営業4万人以上を支援してきた株式会社TORiX代表の高橋浩一さん。今回、2万人(営業1万人+お客様1万人)の大規模調査を行い、営業における「急所」を科学的に解き明かしたのが本書です。成果の明暗を分ける「急所」は、一体どこにあるのでしょうか?
(※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)


なぜ、がんばっているのに売れないのか

──『営業の科学』を執筆された背景をお聞かせください。

当社(TORiX株式会社)はこれまで4万人以上の営業を支援してきましたが、その中でいつも感じているのは、「営業の成績と努力はなぜ比例しないんだろう」ということです。営業現場を見ると、怠けていて成果が出ないという人は少数派で、どちらかというと、「がんばっているのに成果が出ない」という方が多数派です。これはどうしてなのかという問題意識は常に持っていました。

現場の管理職の方にお話を伺うと、「スタンス」という言葉をよく使うんです。「○○さんは営業としてのスタンスが良くない」とか。まじめにがんばっているのにスタンスが良くないというのはどういうことなのか?これは深く見てみたいと思いました。

また、営業組織のトップの方って、卓越した能力で何でも売ってしまうような超人的な人が多いんですね。彼らは「営業なんて、当たり前の基本をやれば売れるんです。別に難しいことは要求していません」と言いますが、難しくないならみんなとっくにできているはずです。

こういう状況の中、「実際のところ、営業の難しさは何なのだろうか」と疑問に感じ、切りこんでみようと思いました。そこで、営業とお客様それぞれ1万人、計2万人に調査をしました。1000人規模の定量調査はよくありますが、1万人規模はまず見かけないと思います。

営業の科学
 著者:高橋浩一
 出版社:かんき出版
 要約を読む

成果を出す人は「武器の引き出し」をたくさん持っている

──調査の結果、どのようなことがわかりましたか。

営業1万人調査では、目標達成段階を5段階に分けて、一番達成レベルが高い人と低い人を比較したんです。そうしたら、達成レベルが低い人は「まじめさや誠実さ」、「人の話に耳を傾けること」に自分の強みを見出している傾向が強いことがわかりました。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マクロン氏、プーチン氏のイスラエル・イラン危機仲介

ワールド

原油先物続伸し3%超上昇、イラン・イスラエルの攻撃

ビジネス

ECB、2%のインフレ目標は達成可能─ラガルド総裁

ワールド

トランプ氏、イラン・イスラエル和平を楽観視 プーチ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中