歴史的な円安の背景にある「キャリーモンスター」とは?
10兆円弱の円買い、介入効果2カ月にも満たず
頑強な円安圧力は対米ドル以外にも広範に波及し、きょうまでにユーロは171円後半、スイスフランは179円前半と史上最高値を更新したほか、NZドルは97円後半と38年ぶり、豪ドルが106円後半で17年ぶり、英ポンドが203円前半と16年ぶり高値を付けた。
ユーロやポンドなど他の主要通貨の対ドル相場はここ数カ月、円のような激しい動きは見られず、主要通貨に対するドルの総合的な動きを示すドル指数は、年初来高値にすら至っていない。円売り圧力の格段の強さは、こうした点からも見て取れる。
ある外銀関係者は「介入で10兆円近い円買いを投じても、2カ月もかからず歴史的安値へ反落させる円売り需要は強烈と言わざるを得ない。再び介入があっても効果を発揮させるのは容易ではない」と話している。
政府・日銀は4月26日から5月29日までの間に、9兆7885億円の介入を実施した。実施日などの詳細は不明だが、市場ではドルが前回160円台へ乗せた4月29日を含めて行われたとの見方が大勢となっている。


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