最新記事
中国経済

中国自動車大手の吉利、英アストン・マーチンに約400億円を追加出資 第3位の株主へ

2023年5月18日(木)18時58分
ロイター
アストン・マーチンの「ヴァルキリー」

中国自動車大手の吉利(ジーリー)は英高級車メーカーのアストン・マーチンに2億3400万ポンド(2億9500万ドル)を追加出資し、第3位の株主となる。写真はアストン・マーチンの「ヴァルキリー」。英ゲイドンで2022年3月撮影(2023年 ロイター/Phil Noble)

中国自動車大手の吉利(ジーリー)は英高級車メーカーのアストン・マーチンに2億3400万ポンド(2億9500万ドル)を追加出資し、第3位の株主となる。アストン・マーチンの発表を受け、同社の株価は18日に約22%上昇した。

吉利は、アストン・マーチン筆頭株主であるローレンス・ストロール会長の「Yew Tree」から普通株式約4200万株を1株335ペンスで取得し、さらに2800万株を同価格で引き受ける。

この新株発行により、アストン・マーチンは約9500万ポンドの現金を手にする。

同社の株価は0727GMT(日本時間午後4時27分)時点で、279.4ペンス。17日終値は231.2ペンスだった。

同社は100年に及ぶ歴史の中で7回倒産しており、今回の出資は長期的な未来に向けた負債減につながる。

ストロール氏は声明で「中国という重要な戦略的成長市場を深く理解し、彼らの技術や部品にアクセスする機会を提供してくれる」としている。

英スポーツ車メーカーのロータスのほか、ボルボ、ボルボとの合弁会社ポールスターなど、複数のブランドを所有する吉利は、昨年9月にアストン・マーチンの株式7.6%を取得した。

吉利の李書福会長は「保有比率引き上げ決定はアストン・マーチンの成長見通し、技術、経営陣に対するわれわれの自信を反映している」と説明した。

今回の出資により吉利は17%の株式を保有し、第2位株主であるサウジアラビア政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)に次ぐ株主として、取締役1人を任命する権利を得る。


[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人・失業率4.6

ビジネス

ホンダがAstemoを子会社化、1523億円で日立

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

トランプ氏がBBC提訴、議会襲撃前の演説編集巡り巨
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中