最新記事

市場

地銀再編、セールスフォース、ニトリ......その買収は、強者のM&Aか弱者のM&Aか

2021年2月3日(水)11時35分
安藤智彦(ジャーナリスト)

NTTは4兆3000億円を投じてNTTドコモを完全子会社化したが Issei Kato-REUTERS

<コロナ禍で今後M&Aのニーズが高まりそうだが、その目的が「さらに強くなる」ためかどうかの見極めが投資家には求められる>

(※1月5日発売の本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より。編集部注:一部の情報は2020年12月末時点のものです)

リーマン・ショック以降、活況を呈してきた「市場」の1つがM&A(合併・買収)の分野だ。日本でも2019年には、年間のM&A件数が4000を超え過去最高に。ここ10年ほど、国内外を問わずM&A件数は増えている。

さすがにコロナ禍の影響が大きかった2020年は、件数自体が落ち込んだものの、話題を呼んだM&Aは多い。
20210112issue_cover200.jpg
セブン&アイ・ホールディングスによる米コンビニ3位のスピードウェイ買収(2兆2000億円)、ソフトバンクグループによる米エヌビディアへの半導体設計大手アーム売却(4兆2000億円)など大型案件が相次いだ。

「今後はM&Aのニーズがもっと増えていくだろう」と、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは言う。

何らかの事情で「割安」となった企業を自社の成長のために買収するというM&Aの一般的手法を考えた場合、コロナ禍は「絶好の買い場」だ。優勝劣敗がより鮮明となり、体力のある企業には買収余力が生まれ、逆の企業には売却が現実となる。

transaction_accounts_superbanner.jpg

例えば2020年12月に発表された、企業向け顧客管理ソフトウエア大手、米セールスフォース・ドットコムによるスラック・テクノロジーズの買収。

コロナ禍で競合他社が軒並み業績と株価を伸ばすなか、ビジネスチャットを手掛けるも、その波に乗り切れずにいたスラックを、機に乗じたセールスフォースが「買い切った」格好だ。提供サービスの相互補完という面もあったにせよ、コロナ禍で生じた企業価値のギャップを突いたディールだったのは確かだろう。

また、そもそもセールスフォースは、創業以来買収を重ねて成長してきた企業でもある。「アメリカでは強者が買収でさらに強くなるタイプのM&Aが多い」と、JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは言う。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国外相、キューバ外相と会談 国家主権と安全保障を

ビジネス

マレーシア、今年の成長予測上げも AIブームが後押

ビジネス

英建設業PMI、1月は46.4に上昇 昨年5月以来

ワールド

ドイツ企業、政府の経済政策に低評価=IFO調査
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 4
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 10
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中