最新記事

インタビュー

日本人のインスタ好きの背景に「英語が苦手な事実」あり?

2020年9月28日(月)11時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

YakobchukOlena-iStock.

<利用者は3000万人超。なぜインスタグラムは日本でここまでバズったのか。インスタグラムの初代日本事業責任者、日本ロレアルのCDOを歴任した注目のマーケターに聞く>

先日、「日本人にアルゴリズムは通用しない」と語ったインタビュー記事が、大きな反響を呼んだ長瀬次英氏。

インスタグラムの初代日本事業責任者として、インスタグラムの普及とブランディング、マネタイズに尽力した長瀬氏は、その後、日本ロレアルでCDO(デジタル最高責任者)に就任。国内でCDOという役職ができたのは同社が初めてで、日本初のCDOでもあったという。
marketingbigbang20200831-cover150.jpg
インスタグラムは2014年に日本語版公式アカウントが開設され、2015年6月には月間アクティブユーザーが810万人を達成した。2019年末時点で利用者は3000万人超。人口に占めるブランド浸透率・利用率は世界水準よりかなり高い。

なぜインタスタグラムは、日本でここまで熱狂的に支持されているのだろうか?

その謎を解くべく、『マーケティング・ビッグバン――インフルエンスは「熱量」で起こす』(CCCメディアハウス)を出版し、その多彩で豊富な経験をもとに新時代のマーケティング・コンセプトを打ち出した長瀬氏に、立ち上げ初期のブランド戦略と普及のために行った施策について聞いた。


まず前提として、ここまでインスタグラムが日本で浸透した理由は、日本人がカメラや写真を好きというのが大きいですね。

スマートフォンに高画質のカメラが付いていても一般家庭で一眼レフカメラを買うし、プリクラという文化も日本独自のものです。

それに日本人はもともと、ビジュアルからメッセージを受け取る力が強い。象形文字だった漢字から始まって、1964年の東京オリンピック開催時に開発されたピクトグラフなど、日本にはビジュアルと言語を一致させる文化が根強くある。

EMOJIなんていうのは、日本人独特の絵のコミュニケーションですよね。

海外で生活した経験もある僕としては、英語を含めた他言語の習得率が低いのにはこういった背景もあると思っています。

それから、日本人は歴史やストーリーが好きです。海外と比べてみても、背景に歴史やストーリーがあるブランドやモノに対する熱量や欲求が高いですね。それを踏まえて、僕はインスタグラムにストーリーを付与することから始めました。

僕がイメージしたのは、ラグジュアリーな雑誌。景色や人物、料理、ライフスタイルなど、インスタグラムでしか見られない美しいビジュアルが並ぶコンテンツをユーザーに提供しようと考えました。

長瀬氏は具体的に、インスタグラムの利用者を増やすために何をしたのだろうか。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ユーロ債の域外投資家純購入額、6月は598億ユーロ

ビジネス

6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比3%

ビジネス

7月貿易収支は1175億円の赤字=財務省(ロイター

ワールド

EXCLUSIVE-米政権がTikTokアカウント
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 7
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 7
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中