最新記事

トラベル

中国、5連休で延べ1億人以上が旅行 業界「明るい兆し」

2020年5月7日(木)11時19分

中国では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出制限が緩和される中、労働節に伴う5月1─5日の連休の旅行者数が1億1500万人となった。それでも前年の1億9500万人と比べると41%減少した。北京のレストランで5日撮影(2020年 ロイター/Tingshu Wang)

中国では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出制限が緩和される中、労働節に伴う5月1─5日の連休の旅行者数が延べ1億1500万人となった。自動車旅行が多くを占めた。文化観光省のデータと旅行業者の情報で明らかになった。

前年の1億9500万人と比べると41%減少したが、旅行業者や当局は、予想の約9000万人を上回っており、明るい兆しだと歓迎した。

中国の旅行予約サイト大手、携程旅行網(トリップドットコムグループ)の梁建章会長は中国国営中央テレビ(CCTV)に対し「誰もが徐々に自信を取り戻しつつあることが分かる」と述べた。

中国は数カ月にわたる外出制限で打撃を受けた経済の再活性化に向けて国内旅行を促そうとしている。

野村はリポートで、連休中の活動は中国経済の正常化を示唆したが、回復のスピードは非常に緩やかだと指摘。中国政府が行動制限の一部を継続しているほか、強い不透明感が消費者信頼感に影を落とし、輸出の急減で家計の収入が圧迫され、何百万もの人が職を失っているからだとした。

文化観光省によると、5連休中の旅行会社の売上高は475億6000万元(67億4000万ドル)となった。前年の数字は公表していない。

同省によると、自動車旅行が全体の6割超を占めた。トリップドットコムは、レンタカーの予約が前年同期比で10%増えたと明らかにした。

同社によると、連休中のパッケージ旅行の予約の半数以上は1990年以降に生まれた若い世代によるものだった。また、旅行先としては成都や上海といった都市の人気が高かった。

同社によると、連休中の航空便や電車、自動車の利用で4月29日に受け付けた予約の件数は同月24─29日の6日間の予約数を130%上回った。

中国のネット検索大手、百度(バイドゥ)のデータを基にしたロイターの算出によると、5連休初日の1日に市外に出かけた人は、4月4日の清明節と比べて50%近く増加した。

中国では観光地の大半が再開されている。ただ、多くの観光地では、感染リスクを抑えるため入場者は収容能力の30%に制限されている。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染38人確認 4日連続で減少続く
・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に
・日本とは「似て非なる国」タイのコロナ事情
・トランプ「米国の新型コロナウイルス死者最大10万人、ワクチンは年内にできる」


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続伸、S&Pが終値で最高値 グロース

ビジネス

再送-11月の米製造業生産は横ばい、自動車関連は減

ワールド

米最高裁、シカゴへの州兵派遣差し止め維持 政権の申

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、GDP好調でもFRB利下げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中