最新記事

日本経済

緊急事態宣言中の4―5月、経済はさらに厳しく=西村経財相

2020年5月18日(月)10時45分

西村康稔経済再生相は公表された1―3月期の国内総生産(GDP)1次速報を受け記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が緊急事態宣言を発出した後の4月、5月の日本経済は「さらに厳しくなる」との認識を示した。都内で12日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

西村康稔経済再生相は18日に公表された1―3月期の国内総生産(GDP)1次速報を受け記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が緊急事態宣言を発出した後の4月、5月の日本経済は「さらに厳しくなる」との認識を示した。2020年度第1次補正予算の早期執行を急ぐとともに2次補正予算の早期成立も急ぐ。

当面相当程度落ち込む

西村経財相はGDP発表後に談話を公表し、先行きの日本経済について「海外でも新型コロナ感染症拡大に伴う経済の低迷が続く中、当面経済が相当程度落ち込むことが想定される」との認識を示した。また、「感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融資本市場の変動などの影響に十分注意が必要」とした。

4―6月期は戦後最悪の経済縮小が民間エコノミストの間では予想されているが、会見した西村氏は1次補正予算に盛り込まれた中小事業者向け最大200万円の支給や、国民一律10万円支給の「早期執行で経済を下支えしたい」と強調。安倍晋三首相から2次補正予算についても早期作成の指示があり27日めどに取りまとめると述べた。

西村氏は1―3月期GDPに関し、「内需、外需いずれも日本経済の厳しい実態を示している」との認識を示した。「1月上旬は消費増税の影響が和らぎ、回復基調の雰囲気があった」ものの、新型コロナの影響が春節以降に直撃し、3月を中心に「サービス、交通、宿泊が大きく下げた」という。

外出自粛の影響で「ゲーム機やゲームソフト、アルコール類、マスクなどの販売は伸びた」とも指摘した。

元の生活「難しい」

政府は緊急事態宣言の一部解除を皮切りに経済活動の再開を進めているが、西村氏は「解除後に元の生活に戻すと感染が再拡大するため、元の生活に戻るのは今の段階では難しい」と指摘。「コロナの終息時期は専門家も誰も分からない」として、「リスク高い事業は慎重に経済活動のレベルを上げていく」と説明した。

(竹本能文 編集:青山敦子)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・中国は早くから新型コロナウイルスを知っていたのか?2019年9月26日の「湖北日報」を読み解く
・日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいっている不思議
・緊急事態宣言、全国39県で解除 東京など8都道府県も可能なら21日に解除=安倍首相
・ニューヨークと東京では「医療崩壊」の実態が全く違う


20050519issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏が放射線治療、前立腺がん=広報担当者

ワールド

カタール外交官が自動車事故で死亡、エジプトで=治安

ワールド

アングル:気候変動研究に深刻な影響の恐れ、トランプ

ワールド

ガザ停戦合意巡り13日に国際首脳会合、トランプ氏ら
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決」が話題に 「上品さはお金で買えない」とネット冷ややか
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリカを「一人負け」の道に導く...中国は大笑い
  • 4
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 5
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 6
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 7
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 8
    史上最大級の航空ミステリー、太平洋上で消息を絶っ…
  • 9
    【クイズ】ノーベル賞を「最年少で」受賞したのは誰?
  • 10
    サウジの伝統食「デーツ」がスーパーフードとして再…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 7
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 8
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 8
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中