最新記事

日本経済

新型コロナウイルス直撃の日本企業、設備投資計画「全て先送り」「最低限のみ」が8割弱

2020年4月16日(木)11時05分

108兆円対策、まだ不足

政府が新型ウイルス感染拡大防止や資金繰り支援、給付金などで事業規模108兆円の緊急経済対策を打ち出したが、「やや不足」、「かなり不足している」が合わせて75%にのぼった。全体として「規模よりもスピード感がない」(卸売)といった評価が目立った。

十分な規模であると評価する企業からも「終息がみえない状況下では評価が難しく、とりあえず第一弾の施策という認識のため」(食品)といった声があるほか、「今後予想される景気縮小に対し規模が小さい」(電力・ガス)など、この先さらに経済が悪化することへの不安も大きい。

対策に盛り込まれている資金繰り支援や雇用調整金、感染終息後の消費支援などについても、さらなる拡充を求める声が4割を占めた。緊急事態宣言の対象地域における休業要請に関連して「休業補償の支給を条件とした強制的な休業命令」(サービス)を求める声もある。

一方「過大」との見方はわずか5%、「十分な規模」との見方も21%にとどまった。中には「一時的なパニック状態に乗じて過度なバラマキ政策をとると、何でも国が補償すべきとの主張になりかねない」(機械)、「大企業や一定以上の給与所得者への支援は不要。中小企業・個人事業主・低所得者層に対象を絞るべき」(小売)といった指摘もあった。

投資計画、大幅な抑制姿勢

2020年度設備投資計画については、現時点で「すべて見送る」が4%となった。「投資などは後回しで、まずは当面の経営維持が喫緊の課題」(窯業)といった回答がある。

また「必要最低限」が73%にのぼり、大幅な抑制姿勢となっている。感染終息時についても「前年より拡大する」との回答を「縮小する」との回答が上回った。

慎重化の背景には「終息後の産業地図の変化を注視してから実行することになる」(ゴム)など、「経済活動そのものが変わるため、従来の投資基準は適用できなくなる 」(小売)といった認識の広がりもある。

雇用や賃金については、約9割の企業が従来通り維持する考えであることが分かった。「雇用・賃金の低下による経済の負のスパイラルは回避しなくてはならない」(卸売)といった考え方が複数寄せられた。

(グラフ作成:照井裕子 編集:石田仁志)

中川泉

[東京 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・日本・台湾・香港の「コロナ成績表」──感染爆発が起きていないのはなぜ?
・アメリカが期待した「クロロキン」、ブラジルで被験者死亡で臨床試験中止
・「社会的距離の確保、2022年まで必要な可能性」米ハーバード大学が指摘
・気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること


20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪CPI、1月は前月比0.4%上昇 コアインフレ加

ビジネス

1月企業向けサービス価格、前年比2.6%上昇 前月

ワールド

中国春節の9連休、国内旅行と消費支出を押し上げ

ビジネス

グーグル、データセンター向けに米電力会社2社と契約
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 8
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 9
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中