最新記事

日本経済

日本経済、内需総崩れ GDP10〜12月期は年率マイナス6.3%、5期ぶりマイナス成長

2020年2月17日(月)16時39分

内閣府が発表した2019年10─12月期国民所得統計1次速報によると、実質GDPは前期比マイナス1.6%、年率換算でマイナス6.3%となった。写真は川崎市の京浜工業地帯で2011年1月撮影(2020年 ロイター//Issei Kato)

内閣府が17日発表した2019年10─12月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス1.6%、年率換算でマイナス6.3%となった。5四半期ぶりのマイナス成長となり、減少幅は2014年4─6月期以来の大きさとなった。台風や消費増税による駆け込み反動減、米中摩擦による不透明感などから、消費、設備投資もマイナスとなるなど、内需が総崩れ。外需も寄与度はプラスとはいえ、輸出の落ち込みより内需停滞による輸入の減少が上回った結果であり、内容は悪い。

結果はロイターの事前予測の年率マイナス3.7%を上回る落ち込みとなった。

最も足を引っ張ったのは、民間消費支出で前期比マイナス2.9%となった。品目では、自動車、化粧品、家電、アルコール飲料の販売が下押しに寄与した。10月の台風などの影響に加えて暖冬で季節用品の販売が振るわなかった。消費増税前の駆け込み需要の反動も加わった。

ただ、前回14年の4─6月期の消費増税時の落ち込み幅マイナス4.8%と比較すると、減少幅は小幅だった。

内閣府幹部は「今回は幼保無償化やポイント還元、自動車減税など効果もあり、全体としての駆け込み反動は小さかったとみている」との認識を示している。

民間設備投資も前期比マイナス3.7%で、3四半期ぶりに減少した。建設、生産用機械の落ち込みが影響した。増税前のレジ投資などの一巡や、米中摩擦に伴う投資慎重化もあり、振るわない。住宅投資もマイナスだった。プラスだったのは政府最終消費支出と公共工事など公的固定資本形成。

この結果、内需の寄与度はマイナス2.1%だった。5四半期ぶりのマイナスとなった。

他方、外需については寄与度はプラス0.5%で、3四半期ぶりのプラスとなった。輸出は前期比マイナス0.1%で、自動車、自動車部品、業務用機械などの輸出が減少した。前期よりマイナス幅は縮小したが、引き続き停滞感は強い。他方で輸入は同マイナス2.6%と落ち込みが大きい。

デフレーターは前年比プラス1.3%。前期よりプラス幅が拡大した。前期比ではプラス0.4%。

10―12月期の実質GDPは市場予想より大きく落ち込んだが、内閣府は増税後の反動減や台風の影響などさまざまな特殊要因がマイナス成長につながったとみており、「景気の回復基調が変わっているとは思っていない」(幹部)とする。

2020年1―3月期は新型肺炎の拡大による国内経済への影響が焦点になる。同幹部は「新型肺炎の影響は現段階では見通せない」と指摘しつつ、長期化すれば景気の基調に影響が出る可能性があるとの見方を示している。

*内容を追加しました。

(中川泉 和田崇彦 浜田寛子 編集:青山敦子 佐々木美和)

[東京 17日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200225issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月25日号(2月18日発売)は「上級国民論」特集。ズルする奴らが罪を免れている――。ネットを越え渦巻く人々の怒り。「上級国民」の正体とは? 「特権階級」は本当にいるのか?


ニュース速報

ワールド

米モデルナのコロナワクチン候補、高齢者にも効果=論

ビジネス

寄り付きの日経平均は反落、米国株安の流れ引き継ぐ

ワールド

訂正:米中西部での新型コロナ陽性率、上昇傾向に=調

ワールド

仏新型コロナ感染者数、24時間で8051人増加、前

MAGAZINE

特集:感染症 vs 国家

2020-10・ 6号(9/29発売)

新型コロナウイルスに最も正しく対応した国は? 各国の感染拡大防止策を徹底査定する

人気ランキング

  • 1

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立し大炎上に

  • 2

    北朝鮮の韓国乗組員射殺で「終戦宣言を」の文在寅に逆風

  • 3

    無法地帯と化すハイチ 警官が暴徒化する理由とは?

  • 4

    中国漁船団は世界支配の先兵

  • 5

    安倍政権が推進した「オールジャパン鉄道輸出」の悲惨…

  • 6

    日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに…

  • 7

    タイ環境相、国立公園に捨てられたゴミを「持ち主に…

  • 8

    ベトナム、日本には強硬だが、中国には黙る韓国政府…

  • 9

    3時間42分にわたって潜水するクジラが確認される

  • 10

    韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「あ…

  • 1

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立し大炎上に

  • 2

    日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに動画が拡散

  • 3

    中国軍の侵攻で台湾軍は崩壊する──見せ掛けの強硬姿勢と内部腐敗の実態

  • 4

    尖閣問題への米軍介入で中国軍との戦闘は不可避──仮…

  • 5

    中国人民解放軍、グアムの米空軍基地標的とみられる…

  • 6

    中国の台湾侵攻に備える米軍の「台湾駐屯」は賢明か 

  • 7

    北朝鮮の韓国乗組員射殺で「終戦宣言を」の文在寅に…

  • 8

    核武装しても不安......金正恩が日本の「敵基地攻撃…

  • 9

    美貌の女性解説員を破滅させた、金正恩「拷問部隊」…

  • 10

    台湾有事を想定した動画を中国軍が公開

  • 1

    安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン

  • 2

    中国人民解放軍、グアムの米空軍基地標的とみられる模擬攻撃の動画公開

  • 3

    【動画】タランチュラが鳥を頭から食べる衝撃映像とメカニズム

  • 4

    反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船…

  • 5

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立…

  • 6

    日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに…

  • 7

    中国軍の侵攻で台湾軍は崩壊する──見せ掛けの強硬姿…

  • 8

    米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない

  • 9

    尖閣問題への米軍介入で中国軍との戦闘は不可避──仮…

  • 10

    アラスカ漁船がロシア艦隊と鉢合わせ、米軍機がロシ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月