最新記事

ブレグジット

パリ高級不動産が急騰 イギリスEU離脱が追い風に

2019年12月11日(水)19時40分

英国の投資家、ロバート・ドレーク氏は、パリ中心部・エリゼ宮近くの高級マンション内の1戸を200万ユーロ(約2億4000万円)で購入した。写真はパリのエッフェル塔近くの集合住宅。10月撮影(2019年 ロイター/Charles Platiau)

英国の投資家、ロバート・ドレーク氏は、パリ中心部・エリゼ宮近くの高級マンション内の1戸を200万ユーロ(約2億4000万円)で購入した。超低金利という環境や価格面の妙味に加え、英国の欧州連合(EU)離脱後に欧州大陸の不動産価値は高まるという確信が背中を押した。

2つのベッドルームが付いたこのマンションは、ドレーク氏にとって初の海外不動産投資。英国がEU離脱を決めたことでロンドンの国際的地位が大きな打撃を受け、それがパリの高級不動産価格の急騰につながっているという構図を物語る動きだ。

ベリー・ストリート・キャピタルのマネジングディレクターを務めるドレーク氏は、2016年の英国民投票でEU離脱派が勝利して以来、英国と欧州の関係は「根本的に変化した」と指摘。「ブレグジット(英のEU離脱)が実現してもしなくても、今後数十年で英国の金融セクターから欧州主要都市へと(人員が)移動する公算が大きいと思う」と話す。

ドレーク氏の見立てでは、国際業務を展開する銀行に勤務する人々が、パリの高級住宅を求める動きは一層強まる。半面、パリには厳しい都市計画の規制があるため、そうした物件の供給は引き続き限られる。

パリの不動産価格は、社会党のオランド大統領が政権を握っていた2012年から17年まで低迷が続いた。100万ユーロを超える収入に75%の上乗せ課税を実施して富裕層に敵対的だとの評価がフランス国外で強まり、高所得者がロンドンなどに逃げ出し、供給過剰が発生したからだ。

ただ、投資家に好意的なマクロン大統領が2017年に誕生すると、フランス国内の買い手が主導する形で市況が好転。ブレグジットを巡る交渉が混迷の度を深めるとともに、外国投資家はロンドンへの信頼を低下させ、パリに目を向けるようになった。

国際的な高級不動産仲介で世界屈指のBARNESインターナショナルのティボー・ドサンバンサン会長は「パリは現在、不動産分野に関してはブレグジットにおける勝ち組の筆頭だ」と述べた。

英不動産大手・ナイトフランクは、パリ不動産の上位5%の価格帯(プライム市場)が来年中にさらに5─7%値上がりすると予想している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 3
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    「こんなのアリ?」飛行機のファーストクラスで「巨…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 9
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中