最新記事

日米通商交渉

日米首脳、貿易協定で合意署名 自動車追加関税の発動回避を確認

2019年9月26日(木)08時09分

安倍晋三首相とトランプ米大統領は25日、ニューヨークで開いた会談で貿易協定締結で合意し、合意文書に署名した(2019年 ロイター/JONATHAN ERNST)

安倍晋三首相とトランプ米大統領は25日、米ニューヨークで開いた会談で貿易協定の締結で合意し、合意文書に署名した。トランプ大統領は約70億ドル規模の日本市場が開放されると述べた。一方、日本から米国に輸出される自動車と関連部品の関税撤廃については協議継続となった。

茂木敏充外相によると、自動車への追加関税は、貿易協定が誠実に履行されている間は発動されないと安倍首相が大統領に確認したという。

共同声明は「二国間貿易を強力かつ安定的で互恵的な形で拡大するために、一定の農産品および工業品の関税を撤廃または削減する」と表明。また、デジタル貿易協定の締結により、両国がデジタル貿易に関する世界的なルールづくりにおいて主導的な役割を果たしていくとした。

両国は貿易協定発効後、4カ月以内に協議を終える意向で、協定を誠実に履行するとともに、協定を履行する間は協定や声明の精神に反する行動を取らないことを確認した。

トランプ大統領は国連総会の合間に安倍首相と開いた署名式で、貿易協定の第一弾で400億ドル規模のデジタル貿易をカバーすると説明。日米双方が協議を継続すると述べた。

米産牛肉などTPPと同等の関税削減

米通商代表部(USTR)は、署名された合意を「初期の成果」と指摘。トランプ大統領によると、日本は70億ドル相当の米農産物について市場を開放し、米産牛肉や豚肉、小麦、チーズ、トウモロコシ、ワインなどへの関税が大幅に引き下げられるか、撤廃される。USTRによると、日本に輸出される米農産品の約90%が免税か優遇措置の対象になるという。

日本政府の資料によると、牛肉、豚肉、小麦、乳製品、ワインについては環太平洋連携協定(TPP)と同等の関税撤廃もしくは削減が実施される見込み。一方、コメについては無関税枠をゼロとした。脱脂粉乳やバターなど乳製品の輸入枠も設けられない。

牛肉は、米国からの輸入量が急増した場合にセーフガード(緊急輸入措置)を発動する基準数量を、2020年で24万2000トンとすることで合意した。TPP参加国では発動基準は60万トンとなっており、低価格の輸入牛肉が急増しないよう、日本はTPP参加国とセーフガード基準数量を再協議する意向だ。


20191001issue_cover200.jpg ※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

訂正米、ホルムズ海峡再開で最後通牒 イランは停戦提

ビジネス

サプライチェーン圧力上昇、3月は23年1月以来の高

ビジネス

FRB利下げ可能、AIによる生産性向上で物価下押し

ワールド

レバノンのキリスト教政党幹部死亡、イスラエル空爆で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中