最新記事

自動車

EU、トヨタら推す「コネクテッドカー」WiFi案を棄却 サムスン、ファーウェイらの5G採用へ

2019年7月5日(金)08時00分

EU各国はインターネットにつながる車の通信規格を巡り、欧州委員会のWi─Fiベース案を否決した。独ボンで3月撮影(2019年 ロイター/Wolfgang Rattay)

欧州連合(EU)各国は4日、インターネットにつながる車の通信規格を巡り、欧州委員会のWi-Fi(ワイファイ)ベース案を否決した。 BMWやクアルコムが支持する5世代移動通信ネットワーク(5G)に軍配が上がり、実現に道を開いた。

どちらの技術がより優れ、安全かを巡り自動車やハイテク業界の見方が分かれていた。EU当局者によると、有力自動車産業を抱えるドイツとフランス、イタリアなど21カ国が欧州委の提案に反対票を投じた。

Wi-Fiベースの規格を支持するのは、フォルクスワーゲンとルノー、トヨタ自動車、NXPなどだ。

ダイムラーやフォード、PSAグループ、ドイツテレコム、エリクソン、華為技術(ファーウェイ)、インテル、サムスン電子などは5Gベースの規格導入を訴える。

欧州委は5Gと異なり、Wi-Fiはすでに利用可能で、道路安全に資すると主張。ブルツ欧州委員(運輸担当)は採決後に声明を出し、「加盟各国と引き続き連携して、懸念に対応するほかふさわしい方向性を探っていく」と述べた。

5Gの支持者らは、エンターテイメントや交通データ、ナビゲーションなどの幅広い応用分野を前面に打ち出す。

欧州電気通信事業者協会(ETNO)は採決結果を歓迎し、「自動車業界は道路上のユーザーやドライバーを守る最高技術を自由に選択できる」と評価した。

業界団体の5GAAは採決結果について、技術の中立性が重要だと欧州委に強いシグナルを送る内容と指摘した。

EU閣僚らは8日、Wi-Fi案を正式に拒否する見通しだ。

[ブリュッセル 4日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月7日号(9月30日発売)は「2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡」特集。投手復帰のシーズンも地区Vでプレーオフへ。アメリカが見た二刀流の復活劇

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「サナエノミクス2.0」へ、総裁選で自動車税停止を

ビジネス

自民新総裁で円安・株高の見方、「高市トレード」再始

ワールド

アングル:高市新総裁、政治空白の解消急務 「ハネム

ワールド

自民新総裁に高市氏:識者はこうみる
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 5
    謎のドローン編隊がドイツの重要施設を偵察か──NATO…
  • 6
    「吐き気がする...」ニコラス・ケイジ主演、キリスト…
  • 7
    「テレビには映らない」大谷翔平――番記者だけが知る…
  • 8
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 10
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中