最新記事

日本経済

マネックス松本大社長「市場活性化には個人投資家の『アクティビスト』化が必要」

2019年3月23日(土)12時00分

平成の30年間で個人投資家を取り巻く環境は激変した。インターネットなど情報通信技術の普及により大量の情報を瞬時に入手できるようになり、セミプロのような個人投資家も数多く出現した。写真はマネックスグループの松本大社長。都内で昨年4月撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)

平成の30年間で個人投資家を取り巻く環境は激変した。インターネットなど情報通信技術の普及により大量の情報を瞬時に入手できるようになり、セミプロのような個人投資家も数多く出現した。しかし、全体でみれば貯蓄から投資へのシフトは進まず、かつてのような日本株市場の活気は取り戻せていない。

マネックスグループの松本大社長は、日本企業が企業価値を一段と高めて株式市場を活性化させるには、個人投資家の意識改革が必要と指摘。個別企業に対する理解を深め、株主としての権利を行使する「アクティビスト」になるべきと話す。 

19日に実施したロイターとのインタビューで語った。主なやり取りは以下の通り。

──平成における個人投資家にとって、大きな出来事を3つ上げるとすれば何か。

「手前みそになってしまうが、1つはオンライン証券の登場だ。証券会社の店頭まで行かなければならなかった株式投資が、家の書斎からでも(株式の売買を)できるようになった。株式投資への敷居を大きく引き下げ、破壊的な変化を生み出した」

「もう1つは、細かいが、単元株制度が導入されたことだ。それ以前は、1株あたり純資産が5万円を切ってはいけないと商法で決められており、ヤフーのような、純資産は小さいが知財価値が大きくて企業価値が高い会社だと1売買単位が数千万円などとなり、個人ではとても手が出なかった。単元株制度の導入で投資単位の壁が壊れたことは、個人にとっては極めて大きなインパクトがあった」

「もう1つと言われるととても難しいが、あえて3つ目を挙げるとするなら、村上世彰さんだ。村上さんの行動が、クローズアップされたことだろう。アクティビストなどといったものは海の向こうのものだと思っていたら、日本語で、日本で行われたというのは大きな出来事だったと思う。村上さんに関してはコントラバーシャル(賛否両論)だが、やったことのいい悪いは置いておくとして、日本の個人に、株式投資とはこんなこともできるんだ、あるんだ、と気づかせた一つのきっかけになった」

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中