最新記事

日本経済

ジム・ロジャーズ「日本で今後伸びる産業はこの3つ」

2019年2月21日(木)18時53分
ジム・ロジャーズ(投資家、ロジャーズホールディングス会長) *東洋経済オンラインからの転載

しかし、状況は少しずつ改善されてもいる。2016年、農地法が改正されて、農業への参入の壁がだいぶ低くなった。さらに、こんな例も耳にした。元会社員が始めたある農業法人が、年商12億円もの売り上げをあげる会社に成長し、アジア各国へ進出を果たしているというのだ。日本の農業の可能性の扉は、まさに開き始めていると言える。

教育ビジネスの機会も増えるかもしれない。現在、生徒が足りずに廃校に追い込まれている学校がたくさんある。子どもが減っているので、学校も空になるということだ。日本に来たがる外国人学生はたくさんいる。あるいは、積極的にたくさん受け入れるようにすればいいのだ。すでに、外国人を積極的に受け入れる日本の大学も増えてきている。

40歳以上の日本人は農地を買ったらどうか

韓国や中国の子どもと話すと、彼らは「大学に入学できない」と言う。大学の数が少ないので競争率が非常に高いためだ。

私はそういう彼らに、「日本に行きなさい。日本の大学なら受け入れてくれる」とアドバイスしている。日本では「大学全入時代」と言われるくらい、大学の数が余っている。定員割れで生徒を欲しがっている大学はたくさんあるだろう。そういう大学こそ、留学生を受け入れるのだ。

外国人に来てもらうには、世界の共通語である英語で授業をしなければならないだろうが、いまは東京大学でもどこでも、外国人が英語で講義をしている大学が増えている。

以前、アメリカのラジオ番組で私はこのように述べた。「もし私がいま10歳の日本人ならば、自分自身にAK‐47(自動小銃)を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう」と。ただ、私が40代の日本人だったらどうだろう。いきなり自分の国から出ていくというのは、いささか難儀なことかもしれない。

そこで考えるのは、農場を買うことだ。いま、日本の農地や農場は安い。誰も買おうとしないからだ。安い農場を見つけ、そこで働いてくれる人材を見つけるべく、最善を尽くすだろう。外国人労働者に来てもらうのが手っ取り早いが、元気な老年期の人たちにやってもらうのも手かもしれない。最近の60代は、定年退職した後でも体力と頭脳があり余っている。そんな人たちに働いてもらいたい。

あるいは、古民家のチェーン事業を始めるのもいい。私だったら、従業員には外国人を雇う。外国人の働き手を確保するべく、教育事業にも着手するだろう。募集・採用にはきっと苦労しない。韓国や中国、インドでは大学が不足しており、逆に人口減少している日本では大学が余っている。人口に対して大学が不足している国から、学生たちを呼び寄せるのは容易だ。そうして学生を採用し、日本の大学で勉強させるべく教育を施す。

そのようなビジネスを手掛ければ、40代でも日本で成功を収めるのは十分可能だろう。

『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』
(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

ニューズウィーク日本版 BTS再始動
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月31号(3月24日発売)は「BTS再始動」特集。7人の「完全体」で新章へ、世界が注目するカムバックの意味 ―光化門ライブ速報―

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル160円台、中東緊迫で「有事の買

ビジネス

米国株式市場=大幅続落、ダウ調整入り 中東情勢巡る

ワールド

イラン、米停戦案への回答保留 攻撃下の対話要求「容

ワールド

イラン外相がロシア外相と電話会談、米・イスラエルの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊張緩和の兆しか
  • 3
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思われるドローンの攻撃を受け大炎上
  • 4
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 5
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 6
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 7
    日本経済にとって、円高/円安はどちらが「お得」な…
  • 8
    ニュースでよく聞く「東京外国為替市場」は、実際は…
  • 9
    アメリカのストーカー対策、日本との違いを考える
  • 10
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 8
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中