最新記事

ネット

ヤフーの果てしない無駄働き

広告の単価下落で減収減益が続くヤフーの巻き返し策は

2014年7月16日(水)14時57分
ジョーダン・ワイスマン

青あざだらけ? ヤフーのビジネスモデルの崩壊ぶりを象徴する看板 Justin Sullivan/Getty Images

 日々チェックするウェブサイトで動画の配信が急に増えたのはなぜ? そんな疑問をお持ちなら、ヤフーの第2四半期の業績を見て欲しい。答えはそこにある。

 減収減益が続くヤフー。最も痛いのは売上高の38%を占めるディスプレー広告部門がじり貧に陥っていることだ。広告の販売数は増えているが、平均単価は下がる一方。4〜6月期の広告の販売は24%増えたにもかかわらず、単価も24%低下し、ディスプレー広告部門は前年比8%の減収となった。1歩進んで1.08歩下がる状況で、ヤフーはギリシャ神話のシシュフォス並みに不毛な苦闘を強いられている。

 広告単価が下がり続けている理由は2つある。まず膨大なユーザーデータを抱えるソーシャルネットワークとの競争が激化したこと。そして、ネット広告のテクノロジーの進化が広告主に有利な状況を生み出したことだ。アドエクスチェンジ(広告枠取引)と呼ばれる方式では、広告主は配信数ベースの入札形式で最も費用対効果の高い広告枠を買うことができる。

 ヤフーはこうした流れに対抗するため、ブランド志向の読者を対象にしたオンランマガジンに投資してきた。サイトのコンテンツに合わせたネイティブ広告(紙メディアのタイアップ広告のようにコンテンツに融け込んだ広告)なら、広告料金を高めに設定できるからだ。だが、そうなると当然バズフィードのような人気サイトと競合することになる。結局のところ、膨大な数のウェブサイトが広告主獲得にしのぎを削り、価格競争を繰り広げている現状では、どんな形にせよ価格を高く設定することは困難だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

神田財務官、介入有無コメントせず 過度な変動「看過

ワールド

タイ内閣改造、財務相に前証取会長 外相は辞任

ワールド

中国主席、仏・セルビア・ハンガリー訪問へ 5年ぶり

ビジネス

米エリオット、住友商事に数百億円規模の出資=BBG
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中