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グーグルは「忘れられる権利」を守るべきか

2014年5月14日(水)16時30分
リリー・ヘイ・ニューマン

「忘れられること」を強制する難しさ

 もう一つ大きな問題がある。ネットに一度掲載されたコンテンツを完全に削除するのはほぼ不可能ということだ。世界中のネット利用者が、法的命令の下で削除が実行される前に、インターネット情報のアクセス自由な記録をつくることができる。

 実際、人々が誤った安心感を持つ可能性もある。もしグーグルやBing(ビング)から何かを削除したら、ほとんどの人はそれを見られなくなるだろう。しかしまだネット上には存在し、関心のある人なら発見できるかもしれない。

 人々はやがて、忘れられる権利の次の段階に進みたがるだろう。コンテンツ削除の要求だ。

 欧州ネットワーク情報セキュリティー庁(ENISA)の12年の報告書は、忘れられる権利を厳格に施行した場合の問題点を指摘している。報告書が発表されると、国家安全保障局(NSA)の元顧問スチュアート・ベーカーはこう書いた。「ENISAは問う。カップルの写真について、一方の人物が忘れてほしいと思い、もう一方はそう思わなかったら、政府は『忘れられること』をどう強制するのか? それに、誰がデータを見たり、保存したのかが分からないのに、どうやってデータを見つけ出し、「忘れられる」ようにできるのか?」

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