最新記事

中東

サウジの王子、長者番付に抗議の怪

「私はもっと金持ちだ」──フォーブス誌に噛みついたサウジの王子は、番付上位に入るため資産価値の操作までしていた?

2013年3月6日(水)15時57分
ファイン・グリーンウッド

珍しい苦情 長者番付の上位に入ることにこだわっているらしいワリード王子 Fahad Shadeed-Reuters

 私はもっと金持ちだ──サウジアラビアのワリード・ビン・タラール王子が珍しい苦情を申し立てている。

 米フォーブ誌が最近発表した13年版の世界長者番付で26位(200億ドル)とされたことに対して少な過ぎると主張と文句を付けたのだ。

 英BBCによると、サウジアラビア王家の一員で投資事業を行うキングダム・ホールディングの創業者でありCEOのワリードは、自分が保有する資産の価値は296億ドルで、長者番付では10位になるのが正しいと主張している。

 英ガーディアン紙によると、ワリードはサウジアラビアとアメリカの関係にも傷をつけたとフォーブス誌を非難し、今後一切の関係を断つと激怒しているという。

自分の資産を過大評価

 一方のフォーブス誌は資産価値の評価手法は確かであるとして、ワリードが主張する296億ドルについては、はっきりと「受け入れられない」との立場。

 フォーブス誌は、ワリードは同誌の長者番付で上位を保つことにとりわけこだわっており、自分の資産を過大に見積もっているとしている。

 フォーブス誌の編集者であるケリー・ドーランは「王子の会社であるキングダム・ホールディングの資産を含めて彼の資産の価値は浮き沈みが激しい。資産が増えたり減ったりするのは事業の結果というよりも、フォーブス誌の長者番付を意識して調整した結果ではないかと思えるほどだ」と言っている。

 一方のキングダム・ホールディングの財務担当者は「フォーブス誌とは何年にもわたって率直に話をする関係で、彼らの(資産価値の)評価手法には修正が必要だと何度も指摘してきた」と英ガーディアン紙にコメントした。

「こちらが何年はたらきかけてもフォーブス誌は聞く耳を持たなかった。だから彼らには評価手法を改善させる意欲がないと我々は判断し、これ以上フォーブス誌と関係を持たないことを決めた」

 ところで13年版の長者番付で一番になったのは誰か?

 1位はメキシコの通信・メディア王として有名なカルロス・スリムで資産価値は驚きの730億ドルだった。2位にはマイクロソフト社の会長で慈善家のビル・ゲイツが670億ドルで続いた。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、対コロンビア軍事作戦を警告 「良い考え

ワールド

スターマー英首相、短期政権交代は「国益に反する」と

ワールド

ミャンマー総選挙、第1回は国軍系USDPがリード 

ワールド

ウクライナ、年初から連日モスクワ攻撃とロ国防省 首
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 4
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── …
  • 5
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 6
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中