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市場世界の金融中心地はNYでなく香港か
ニューヨークとロンドンの両方が初めて負けたのは、単に金融危機のせいではない
欧米への警鐘 金融センターとして躍進を遂げた香港 Bobby Yip-Reuters
香港が初めてニューヨークとロンドンを抜いた。世界経済フォーラム(WEF)が先週発表した11年の「金融市場発展度」番付で、香港が首位に躍り出た。
アジアの都市として初の快挙。ロンドンかニューヨークがトップに選ばれなかったのも、これが初めてのことだ。
金融市場発展度は、効果的な金融仲介サービスや金融市場をもたらす政策や機関の評価、資本と金融サービスへのアクセスの良さなどを基に算出される。
この指標はまた長期的な金融政策も分析し、各国で改革すべき分野を指し示してもいる。
アメリカとイギリスは依然として金融危機からの回復途上にあり、両国の窮状は企業の資本へのアクセスを滞らせている。その一方で昨年4位だった香港は、IPO(新規株式公開)や保険など銀行業以外の金融サービスで健闘した。
WEFのケビン・スタインバーグCOO(最高執行責任者)いわく、「欧米の金融センターが短期的課題に集中する現状は理解できるが、この番付は、長期的には欧米の指導的地位が脅かされるかもしれないと警鐘を鳴らしている」。
[2011年12月28日号掲載]