最新記事

アメリカ経済

恩知らずカード業界が大暴走

2009年11月9日(月)18時54分
ナンシー・クック

消費者は泣き寝入りするな

 既に利用者は「対応」し始めている。テクノロジーアナリストのアンティコは、カードを以前ほど使わないようにし、カードで借りた金は、金利が発生しない期限内に返済するようにしている。

 ワシントンに住む29歳のティム・ミカルスキーは最近、金利0%のカードに乗り換えた。返済履歴が良好な利用者であれば、条件のいいカード業者に変更したり、現在のカード業者と交渉して金利を引き下げさせたりできるはずだ。ピュー慈善トラストの報告書によると、信用組合を利用すれば、銀行のカードより20%も低い金利で済む場合もある。

 カード利用者はカード業者に言われるがままではいけないと、消費者団体は呼び掛けている。カード金利が引き上げられたり、新たな手数料が徴収されたりしていることに気づいた場合は、業者に連絡して話し合うべきだという。「返済履歴が良好であれば、『特別なお客様』として扱ってもらえる場合もある」と、金融情報サイト「クレジット・ドットコム」の開設者アダム・レビンは言う。

 カード業者に不当な扱いを受けていると思えば、議会の議員に連絡すべきだと、ピュー慈善トラストのセーフ・クレジットカーズ・プロジェクトの責任者ニック・バークは言う。いま議会がクレジットカード新法の施行時期の前倒しを検討していることを考えれば、その効果は大きいかもしれない。

 業界側も言うように、最終的には、金利や手数料に不満があればそのカードを利用するのをやめればいい。クレジットカードを手放すなんてありえない? だが、債務を返済できなくなって、カードを使いたくても使えない状況に追い込まれるよりはましだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米韓制服組トップ、地域安保「複雑で不安定」 米長官

ワールド

マレーシア首相、1.42億ドルの磁石工場でレアアー

ワールド

インドネシア、9月輸出入が増加 ともに予想上回る

ワールド

インド製造業PMI、10月改定値は59.2に上昇 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中