最新記事

ハイチを救う陰の主役ブラジル

ハイチ大地震

M7.0に直撃された
最貧国の惨劇と国際支援のあり方

2010.01.22

ニューストピックス

ハイチを救う陰の主役ブラジル

2010年1月22日(金)12時02分

 世界中の国々がハイチにいる自国民を必死になって探しているが、今回の大地震でとりわけ痛みを感じているのはブラジルだ。ブラジルは地震が起きるずっと前からハイチに深くかかわってきた。国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)に最も多くの兵士を派遣し、その軍事部門を主導している。

 だが地震によって少なくとも14人のブラジル兵が死亡、4人が行方不明になっている。ブラジルのマザー・テレサとも呼ばれる著名な医師ジルダ・アルンス・ニウマンも死亡した。

 それでもブラジルはハイチ救援の最前線に立っている。状況を把握して復興戦略を練るためにジョビン国防相が現地入りしていることからも、同国がいかにこの災害を重視しているかが分かる。

 ルラ大統領はオバマ米大統領らと連絡を取り合って救援活動の調整を進めている。ブラジル政府は軍用輸送機で支援物資を運んでおり、1500万ドルの援助も表明した。アモリン外相はMINUSTAHの任務を拡大して復興支援もすべきだと主張している。

 以前からふらふらの状態だったハイチは、この地震で事実上のノックアウト・パンチを食らった。今後何年にもわたって前例のない規模の国際支援が必要になるだろう。当然ながらアメリカが緊急救援活動の先頭に立っている。だがイラクとアフガニスタンの復興支援を抱えていることや、ハイチを占領していた歴史を踏まえると、アメリカは長期的なハイチ復興活動を主導する国として最もふさわしいとは言えないかもしれない。

 一方のブラジルは既にハイチの安全保障にかかわっており、しかもグローバルな国家として行動することを望んでいる。ハイチ危機は、台頭しつつあるこの超大国が地域の安全保障で主導的な役割を果たせる機会だ。ハイチがその助けを必要としていることは間違いない。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年01月15日(金)12時25分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 18/1/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン、X・メタ・TikTok捜査へ 児童性的虐

ビジネス

チリ産銅大手アントファガスタ、25年は52%増益 

ワールド

イスラエルの西岸における土地登記を非難、トルコなど

ビジネス

アングル:高級ブランド株の急変動、AI懸念とヘッジ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したスーツドレスの「開放的すぎる」着こなしとは?
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    アメリカが警告を発する「チクングニアウイルス」と…
  • 10
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中