コラム

イスラエルを動かす「超正統派」とは何者か?...ネタニヤフの政治的保身と分断する社会

2025年06月23日(月)19時20分

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超正統派の居住地区メア・シェアリームの子供たち Photo:Taichi Soga

物価高でイスラエルの若者が住宅を買うことなど夢のまた夢になりつつあるなか、超正統派の家庭では父親は働かずにトーラー(ユダヤ教の聖典)の勉強に浸り、子供が多ければ多いほど受けられる政府の補助金で生活する。その額も年々増加している。

イスラム組織ハマスとの戦争によって多くの兵士が犠牲になるなか、事実上、徴兵が免除されている超正統派に不満を抱く国民は少なくない。世論調査では回答者の8割以上が超正統派の強制的な徴兵に賛成している。


 

徴兵中に世俗的な生活に触れることでコミュニティーから離れることを危惧する超正統派政党は、強制徴兵となれば政権を離脱するとネタニヤフに圧力をかけてきた。

その超正統派の離反を恐れ、ネタニヤフは徴兵に前向きだったガラント国防相の更迭を含めて、政権の延命に心血を注いできた。

しかし、エルサレムでは人口増加で超正統派の住居エリアが拡大し、安息日には車の通行が制限されるなど、世俗派との軋轢が顕著になっている。パレスチナ問題との向き合い方に加え、宗教と世俗の深い断層が広がっているのが国内の現実なのだ。

政治的影響力を増す超正統派との折り合いをどうつけていくのか。「イスラエル最大の脅威は内にある」。最近よく耳にするこの言葉は、国内外の政治に大きな課題を抱えるイスラエルにいま重く響いている。

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プロフィール

曽我太一

ジャーナリスト。東京外国語大学大学院修了後、NHK入局。札幌放送局などを経て、報道局国際部で移民・難民政策、欧州情勢などを担当し、2020年からエルサレム支局長として和平問題やテック業界を取材。ロシア・ウクライナ戦争では現地入りした。2023年末よりフリーランスに。中東を拠点に取材活動を行なっている。

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