コラム

中国に貿易戦争を仕掛けた、トランプを待つブーメラン

2018年07月21日(土)13時40分

問題は、対中貿易戦争により、トランプをホワイトハウスの主に押し上げた主要支持層である農家が大打撃を受けかねないことだ。「トランプは自らの支持層を狙い撃ちにしているかのようだ」と、ある共和党の選挙戦略家はため息をつく。

特に大豆農家のダメージが大きい。下院には、大豆生産が主要産業の選挙区が30ある。16年大統領選ではこの全てをトランプが制し、現在の下院ではこのうち25議席を共和党が押さえている。しかし、今後の選挙で共和党がこれらの議席を失うことがあれば、議会がトランプの弾劾手続きに着手する可能性も高まりかねない。

トランプは特定のイデオロギーを持たず、衝動性と負けず嫌いな性格のせいで混乱を来している、とよく言われる。この見方には賛成しかねる。

ブルッキングズ研究所のトーマス・ライト研究員が大統領選前に指摘していたことが的を射ている。「過去30年間のトランプの発言を注意深く検討すると、常に一貫した世界観を持っていたことが分かる。大統領に当選したとしても、それはあまり変わらないだろう」

トランプは、今後もゼロサムゲーム的な世界観の下、商取引と同様の姿勢で外交に臨むに違いない。そうなれば、さらなる波乱は避け難い。シートベルトを締め直す時だ。

<本誌2018年7月24日号掲載>

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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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