- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 「マフィアの温床」からMLBのスポンサーに...手…
「マフィアの温床」からMLBのスポンサーに...手軽化・巧妙化する「ネットギャンブルの闇」

スポーツ賭博、ネットギャンブルはどんどん手軽に PHOTO ILLUSTRATION BY BET NOIRE/ISTOCK
<「犯罪の温床」というイメージが強かったギャンブル業界だが、今やプロスポーツの公式スポンサーに。ギャンブル大国アメリカに蔓延る、参加者を巧みに誘い込むための仕掛け──>
1970年代までのアメリカのギャンブル業界は、ギャングやマフィアによる犯罪の温床というイメージが残っていた。80年代以降は、ラスベガスなどで、企業組織による合法カジノが栄えるように。ドナルド・トランプ前大統領はこの時代に頭角を現し、カジノ事業を拡大した。
95年前後のインターネットの普及は、その流れを変えた。オンラインカジノについては、2006年の規制の立法化で事実上合法化が進み、やがてギャンブルの主戦場はPCからスマホへと移った。この時期はポーカーやルーレットが主だったが、一部の州でオンラインによるスポーツ賭博が合法化されると、大きなビジネスに成長した。
やがてMLBやNBAなどプロスポーツの団体はカジノ業者を公式スポンサーとするようになり、スポーツ中継では刻々と変化する各チームの勝利可能性のデータが表示されるようになった。
カジノ業者のマーケティングも巧妙になり、例えば新規の会員は10ドル払って入会すると、1000ドル(15万8000円相当)のボーナスがもらえるなどのキャンペーンが行われている。
参加者の興味を喚起する仕掛けも豊富。試合の勝敗だけでなく、「この選手は試合終了までに本塁打を打つ?」など特定選手のプレーまで賭けの対象に設定したりする。大谷翔平の通訳だった水原一平被告が落ちたのも、こんなギャンブル大国の闇だ。
天才的なヒラメキとともに躍動する姿を見せ続けた......長嶋茂雄の愛された時代 2025.06.04
混乱回避に成功した米ニューアーク空港と航空行政 2025.05.28
「外国免許切替」制度の厳格化は必要、だが事故防止はまた別の問題 2025.05.21
分裂深める米民主党に、国政奪還の可能性は見えてこない 2025.05.14
45年前の「ハプニング解散」当時と現在の政治状況を比較すると 2025.04.30
迷惑系外国人インフルエンサー、その根底にある見過ごせない人種差別 2025.04.23
グーグルへの公取「排除命令」は、日本のデジタル赤字対策になるか? 2025.04.16