- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 金正恩「ワシントン訪問」に現実味はあるか
金正恩「ワシントン訪問」に現実味はあるか
2つ目は、在米の韓国人・韓国系コミュニティの動向です。現在の韓国本国では、経済の混乱を受けて、財閥や保守政党への逆風が続いています。北朝鮮に宥和的な文政権が生まれているのも、その流れに乗ったものです。
ですが、在米の韓国コミュニティというのは、全く別の価値観を持っています。ズバリ「保守=親米=反共=反北朝鮮」が彼らの核にある考え方です。それは歴史的な経緯から来たものであり、彼らが「どうしてアメリカに生活の場を移したのか」というアイデンティティーの根幹にも関わる問題です。
ですから、彼らは金正恩訪米などということは、簡単に受け入れることはできないでしょう。もちろん、彼らにも韓半島(朝鮮半島)全体にアイデンティティーを感じる部分がゼロではありません。ですが、簡単には受け入れないと思います。一部は強い反発を示すでしょうし、それは鋭く激しいものになる可能性があります。
3つ目は、北朝鮮の世論に与える刺激の問題です。北朝鮮としては、敵国である米国へリーダーが乗り込んで対等に振る舞うドラマとして紹介し、政権求心力を維持するための演出を加えて報じるでしょう。
ですが、どんなに隠してもアメリカはあらゆる角度から見て民主国家です。シンガポールやハノイ、あるいは中国を紹介するだけなら、「経済成長の手本」と言うことで済むでしょうが、金委員長の訪米報道にはどうしても米社会のオープンな様子が映ってしまうと思います。
またそれを隠せば隠すほど逆効果になる可能性もあります。政治の改革解放を進めるゴルバチョフが訪中したことが、89年の天安門事件の引き金となったように、金正恩訪米というニュースが、北朝鮮の政権動揺の導火線となる可能性はあると思います。
このように金正恩のワシントン訪問というのは、現実的には想定が難しいと思います。おそらく、トランプ大統領としては、この「交渉は切れていないが、解決は先送り」という微妙なさじ加減の状態を継続しながら「交渉のできる自分、妥協しない自分」という2つの仮面のバランスも維持して、2020年の大統領選まで「引っ張る」戦略ではないかと思います。
トランプという人物にとって「問題」とは「解決をするため」にあるのではなく、自分の「キャラ」を見せるための「舞台装置」に過ぎない、とりわけこの問題に関してはそのようなアプローチと見ていいのではないでしょうか。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
ベネズエラ船撃沈事件に揺れるペンタゴン 2025.12.03
意外にも「友好的」だったトランプ・マムダニ会談 2025.11.26
アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性 2025.11.19
マムダニ新NY市長の左派政策、日本への影響は? 2025.11.12
NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショックの行方は? 2025.11.05
高市早苗新首相と田原総一朗氏との浅からぬ因縁 2025.10.29
国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の「保守性」 2025.10.22
-
外資系日用品メーカーで衛生製品の品質保証/薬剤師
ゴージョージャパン株式会社
- 東京都
- 年収600万円~800万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/web系SE・PG/東京都/港区虎ノ門
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/東京都/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/港区虎ノ門
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員






