コラム

エマ・ワトソンの「アイビー卒業」、気になるボディーガードの正体とは?

2014年05月29日(木)12時44分

 女優のエマ・ワトソンと言えば、10歳の子役として映画の『ハリー・ポッター』シリーズの第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』でハーマイオニー役を演じて以来、このシリーズの全8作に出演しており、1990年代生まれの女優の中では、大変な知名度を誇っています。今年に入ってからは『ノア』という「ノアの方舟伝説」の映像化作品も公開されています。

 そのワトソンは、忙しいスケジュールの中、英国の高校卒業資格をしっかり取って、最終的にはアメリカのロードアイランド州にある、ブラウン大学に入学しました。ブラウンといえば、「アイビー・リーグ」加盟8校の一つであり、実学にも人文科学にも強い名門です。

 これに伴って、アメリカのニューイングランドに通学し始めた彼女は、自然とニューヨークの芸能関係の社交界にも顔を出すようになりました。そのためもあって、この間、ニューヨークの芸能メディアは、常に彼女のことを追いかけており、やれ交際相手が変わったとか、大学では孤独だとか、好き勝手なことを書かれていたのです。

 ブラウンのカリキュラムは決して生易しいものではなく、女優業との両立は大変だったようです。一部には、中途で退学したなどという報道も出る始末でした。ですが、結局6年を要したのですが、ワトソンは、この5月に無事にブラウンの学位を授与されたのです。専攻は英文学でした。

 今週行われたブラウンの卒業式にワトソンは列席し、角帽とガウンを身につけたセルフィー(自分撮り)は世界中を駆け巡りました。AP通信社は「スーパーな卒業生」だとして、彼女の努力を賞賛する記事を全世界に配信しています。

 ですが、その卒業式に列席していたワトソンの隣に、やや不自然な列席者が並んでいるのを一部のメディアは見逃しませんでした。角帽とガウンを身につけているのですが、相当に年配の女性です。

 メディアは式典の終了後もこの女性を追跡したところ、彼女はさっさとガウンを脱いで軽装になると、そのままワトソンと一緒にどこかへ消えてしまいました。その腰には、小型の拳銃がしっかり装着されていたのです。また、通信機と思われる装備もしていました。

 この女性は、ワトソンのボディーガードだったのです。ガウンと角帽で偽装していたということは、いわゆる「アンダーカバー」、つまり覆面ボディーガードというわけです。

 この問題はメディアの格好の餌食になりました。その背景には「銃社会」の問題があります。

 例えば先週末の23日には、西海岸のカリフォルニア大学サンタバーバラ校の近くの学生街で乱射事件が発生し、大学のキャンパス内外での銃を使った暴力事件というのは根絶できていないわけです。そんな中で、南部から中西部の一部の大学では、「キャンパス内での自衛のための銃の携行」を認めるような動きもあります。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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