コラム

「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あのSF映画の先見の明を考える

2025年03月24日(月)19時57分

トランプ大統領は今年の就任から、


「トランプ2.0 『ガザ所有』発言 尊厳を踏みにじる傲慢さ」(毎日新聞2月7日)

「トランプ関税は世界経済を壊しかねない」(日本経済新聞2月15日)

などなどギョッとすることを次々にしている(数え切れないのはご承知のとおりだ)。


こんなニュースもあった。


「トランプ氏『対外援助の資金がメディアに』根拠のない主張が拡散 米国際開発局めぐる投稿」(朝日新聞2月16日)

米国際開発庁(USAID)をめぐっては、トランプは予算と人員の大幅削減を示唆してきた。USAIDの役割が制限されれば、世界中の人道支援や開発援助が行き詰まる恐れがあるという。トランプはUSAIDなどから数十億ドルが盗まれ、米民主党寄りのメディアに流れていると根拠を示さず主張。それを政府効率化省(DOGE)トップでテスラCEOのイーロン・マスクも広め、USAIDを閉鎖すると表明した。

映画で暴れる大富豪はビフ1人だが、目下2人も暴れている。映画ならやりすぎだ。権力を握ったトランプ&マスクは「事実」を吹き飛ばし、助けが必要な人を足蹴にする。思わずデロリアンを探したくなるが、見えるのはテスラのEVばかり。

でもシラけたり慣れたりしたら思うつぼだ。ニュースを見続け、考え、おかしいことに声を上げ、この世界で生きていくしかない。

※このコラムは「ニューズウィーク日本版」の2月26日発売号に掲載されたものです。
※イラストは編集部の新しい試みとして画像生成AI「Stable Diffusion」で作成されています。

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プロフィール

プチ鹿島

1970年、長野県生まれ。新聞15紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く時事芸人。『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』(双葉社)、『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』(文藝春秋)、『芸人式新聞の読み方」』(幻冬舎)等、著作多数。監督・主演映画に『劇場版センキョナンデス』等。 X(旧Twitter):@pkashima

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