コラム

コインチェックショックでもビットコインが崩れない理由

2018年01月29日(月)10時08分

ネットの情報は鵜呑みにするが、権威の情報はフェイクニュースだと信じ、そのくせ、仮想通貨関連のTVCMの影響は受ける。スマホアプリゲームにTVCMが効くのと同じような興味深い現象だが、彼らは危うい立場にあることは間違いがない。

彼らを躍らせているのが、確信犯的にまだバブルは崩れないと信じている人々で、いわば利害関係者だ。大量に初期に投資してまだ持っているか、仮想通貨取引いや投機の拡大に依存しているビジネスライフ、あるいは投資生活を送っている人々で、彼らは死に物狂いで、浮遊層を説得する。

浮遊層は、コインチェックを責めるが、このような脆弱性は誰の目からも明らかであるし、マウントゴックスでファクトとしても実現しているのに、それらには目をつぶる人々だし、コインチェックの資本金も調べずに、500億円も返すカネが自己資金であるなら、なぜシステムに投資をしなかったのか、などと寝ぼけたことを言っている人々だ。

完全崩壊の時

彼らの影響力は小さいし、確信犯で仮想通貨バブルに依存している人々も財務は脆弱だし、要は自分も逃げるチャンスを狙っている。

したがって、現在は、これら4つのグループによって、一旦完全に崩壊することが押しとどめられているが、今後は、乱高下を繰り返しながら、迷っている人々もすべて悲観論者となり、そして、確信犯の人々が静かに、最後にはなりふり構わず逃げたときが、完全崩壊の時だ。

まず、第一の試練は、コインチェックの返金の具体的な見通しが明らかになったときだろう。ただ、そのときも例外的なものとして、ビットコインなどは完全には崩れないが、多くのナイーブな人々が目を覚ますきっかけにはなり、その次の崩壊を準備することになるだろう。


*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です

プロフィール

小幡 績

1967年千葉県生まれ。
1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現財務省)入省。1999大蔵省退職。2001年ハーバード大学で経済学博士(Ph.D.)を取得。帰国後、一橋経済研究所専任講師を経て、2003年より慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應ビジネススクール)准教授。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。新著に『アフターバブル: 近代資本主義は延命できるか』。他に『成長戦略のまやかし』『円高・デフレが日本経済を救う』など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=主要3指数が1.5%超下落、原油急騰

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅高、原油高背景に安全資産買い

ワールド

米、ホルムズ海峡で国際有志連合と共に船舶護衛へ=財

ワールド

デトロイトのシナゴーグに車突入、容疑者死亡 爆発物
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 7
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story