最新記事
シリーズ日本再発見

米メディア記者「狂暴になったポケモンが最高」──最新作『アルセウス』

Big Pokémon Forever!

2022年03月29日(火)16時40分
セーラ・ブレイナー
ポケモンのギャロップ

こんなに巨大化したポケモンをいとおしく感じるのはなぜ?(左はギャロップ) NINTENDO VIA SLATE

<ニンテンドースイッチ用『Pokémon LEGENDS アルセウス』で最も素晴らしいのは、モンスターがプレーヤーを殺すことさえできること>

ニンテンドースイッチ用のポケモンシリーズ最新版『Pokémon LEGENDS アルセウス』は、近年まれに見る面白さだ。

新しいモンスターもいるし、これまでにない進化もある。しかし新たに備わった特徴のうち筆者が最も気に入っているのは、ポケモンたちがプレーヤーを殺すことさえできる点だ。

これまでのシリーズでは、ポケモンはプレーヤーに脅威を及ぼさなかった。テディベアに似たキテルグマについて、ポケモン図鑑の記述には「愛情を示すために抱き締めようとするが、骨を砕かれるので危険」と書かれているが、ゲームに「ハグ」のボタンがあるわけではない(あったら試してみたかった)。

『ポケットモンスター ソード・シールド』(2019年発売)では巨大化したポケモンがプレーヤーのすぐそばまで迫ってきたが、実際に捕まえたりはしなかった。そう、今までポケモンに危険な要素はなかったのだ。

けれども、これからは違う。「キング」「クイーン」と呼ばれる強力なポケモンの中には、両腕が斧(おの)のようになっていてプレーヤーを傷つけられるモンスターもいる。別のキングは氷の柱でプレーヤーを突き刺そうとする。

かわいらしいライオンのようなコリンクでさえ、プレーヤーを感電させられる。ムクバードやゴーリキーまでがプレーヤーを待ち伏せするから、そのたびに逃げる羽目になりドキドキが止まらない。

このゲームにはさらなる目玉もある。体が巨大で鋭く光る赤い目を持つ「オヤブン」と呼ばれるポケモンたちだ。

私は単純な喜びを求める単純な人間だ。だから大きなゲンガーは好き。大きなリングマも好き。大きなビッパは特に好きだ。この子たちをすみかから追い払うなんて気が引ける。

でも考えてみたら、この子たちはリアルじゃない。スクリーンのピクセルでしかないのだ。それでも、いつもより少しふっくらしたカビゴンを目にする喜びは、コロナ禍が深刻になった一昨年の3月以来、最もリアルな感覚だった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国のデジタル人民元、26年から利子付きに 国営放

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、11月は3.3%上昇 約3年

ワールド

ロ、ウ軍のプーチン氏公邸攻撃試みを非難 ゼレンスキ

ワールド

ウクライナ「和平望むならドンバス撤収必要」=ロシア
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中