最新記事
シリーズ日本再発見

コロナ禍の日本、支持される商品には「理由」がある

2020年10月07日(水)11時05分
高野智宏

ちなみに、なぜリトルシガーは紙巻たばこに比べて安いかというと、たばこの本数で税率が決まる紙巻たばこに対し、使用するたばこ葉の重量で課税されるリトルシガーは、たばこ葉の量を調整することで現在の税制においては税率を低く下げられるというわけだ。

さて、人気のキャメル・シガーの中でもより注目度が高いのが、8月に発売された新商品の「キャメル・シガー・メンソール・ベリーカプセル・ボックス」と「キャメル・シガー・メンソール・ベリーカプセル・ライト・ボックス」。いずれも20本入りで400円。

japan20201007products-pic3.jpg

「キャメル・シガー・メンソール・ベリーカプセル・ボックス」(左)と「キャメル・シガー・メンソール・ベリーカプセル・ライト・ボックス」(右)。共に20本入りボックスで、定価400円

この2銘柄、注目の理由はその喫味だ。そのまま吸えば強メンソールの爽快感が味わえ、フィルターに内蔵されたカプセルを潰すことで、ベリーのフレーバーが加味される。

「リトルシガーの特徴的な巻紙の色が気になって手を出さなかったんですが、増税だし安いので、試しに買ってみたら、思った以上に美味しくて驚きました」と、都内在住の40代男性は言う。「ベリーカプセルは、つぶす時と最後までつぶさない時があるんですが、気分で選べるそんなところも気に入っています」

「普通のたばこと遜色なくて、もうこれに乗り換えようと思うぐらい」と語るこの男性。増税をきっかけに、こうした乗り換え愛煙家が増えそうだ。

在宅勤務が生んだ意外なヒット商品

3つめのキーワードは「在宅」だ。4月の緊急事態宣言発令をきっかけに、一気に進んだ在宅勤務。今後もそうした勤務形態を継続していく企業も多いという。これを機に自宅での業務環境を整えたという声をよく聞くが、こんな意外なヒット商品もある。「ゲーミングチェア」だ。

普通のオフィスチェアではない。シューティングゲームなどでの激しい身体反応にも対応する剛性の高いフレームや、適度に身体をホールドするシェル型のフォルム。

レーシングチェアの基本構造をベースとしながらも、肌触りやクッション性の良いファブリックをはじめ、ヘッドレストやアームレスト、そしてリクライニングなど、座り心地を重視した機能をも併せ持つチェアだ。

なるほど、長時間ゲームを続けるゲーマー向けに開発され、実際に多くのゲーマーが使用しているとなれば、仕事に応用できると考えても違和感はない。

なかでも人気なのが、家具の総合商社、関家具(福岡県大川市)が開発したゲーミングチェア・シリーズ「コンティークス」だ。「直近3カ月の目標額に対する平均値として約122%、また、在宅勤務化が進んだ6月は約141%と、目標額を上回るご注文をいただきました」とは、同社でコンティークスを担当する、eスポーツプロジェクト課長の山本信彦氏。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

先行きの利上げペース、「数カ月に一回」の声も=日銀

ビジネス

スポット銀が最高値更新、初めて80ドル突破

ワールド

米大統領とイスラエル首相、ガザ計画の次の段階を協議

ワールド

中国軍、30日に台湾周辺で実弾射撃訓練 戦闘即応態
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中