コラム

原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右するもの

2026年03月17日(火)19時35分

1990年代後半のITブーム期と同様の労働生産性上昇

生成AI技術による生産性向上が、経済全体の成長率をどの程度高めるかについてはさまざまな議論がある。OECDによる各種の前提条件を置いた分析では、年間0.9%の労働生産性の上昇が起きると示されている。

この分析に相応の説得力があると筆者は考えており、米国の趨勢的な経済成長率は、当面3%前後に高まっていくだろう。つまり、1990年代後半のいわゆるITブーム期と同様の、労働生産性(=趨勢的な経済成長率)の上昇が、生成AI技術の広がりとともに起きつつあるという見立てだ。

このため、イラン戦争という地政学リスクが短期間で済むならば、2026年に3%近い経済成長が実現するだろう。そうした経済状況であれば、歴史的な割高水準まで上昇している米国株の上昇基調は崩れないと見込まれる。

短期的な地政学リスクによる調整局面を、戦略的なエントリーポイントとして検討する余地がある。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

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プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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