コラム

高市自民党の圧勝で日本経済はどうなるか? カギは「180兆円」の使い道

2026年02月09日(月)15時40分

増税政策一辺倒だった自民党が減税政策に転換

同様に考える投資家が多いがゆえに、政策転換への期待から日本株市場は年初から米欧市場を大きく上回る株高となっていた。高市首相の政治決断を有権者が支持したことで、長期的に日本経済の成長が高まるとの期待が当面、日本株高を後押しするだろう。

公約である「食料品に限った時限的な消費減税」の実現にはいくつかハードルがあるが、2026年度内には実現すると筆者は予想している。

同時に、従来の予算策定方法が見直される過程で、単年の財政収支に制約される予算策定も大きく変わり、2027年度当初予算において、名目GDPや税収の伸びに応じた財政支出拡大が実現するだろう。

その結果、増税政策一辺倒だった自民党が減税政策に転換することで、「増税への不安」によって萎縮していた家計消費が長期的に増加基調に転じる、と筆者は予想している。

5兆円規模の減税で財政規律が損なわれる弊害が大きいと論じる識者が散見されるが、ほとんどの主張が的外れである。まずは、日本の財政収支は2025年になってほぼ中立水準まで大きく改善しており、既にほとんどの先進国との対比で財政状況は健全である。

GDP対比で1%程度の恒久減税が実現して、さらに防衛支出などを今後増やしても、経済的には問題が生じないのが実情だ。

こうした状況を不思議に感じる方も多いだろう。

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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