コラム

為替介入再開の可能性が高まる~2022年の再来か~

2023年10月04日(水)15時49分

米国の長期金利と円安警戒

ほぼ1年前の2022年10月末に為替介入が行われたが、米国の長期金利もほぼ同時期に金利低下に転じた。昨年円安が止まったのは為替介入が効いたというよりも、米国での高インフレへの警戒が薄れ長期金利が低下したことが主たる要因だろう。

夏場から続く米国の長期金利上昇は、米経済の堅調さが続くという期待が強まったことで起きた。ただ、9月終盤から急ピッチな長期金利上昇には、悪材料が重なる中で、「売りが売りが呼ぶ」という側面が大きくなっているように見える。既に米経済を巡航速度に落ち着かせる水準まで長期金利は上昇しつつあり、更なる金利上昇余地は限定的になりつつあるとみられる。

足元で当局の円安に対する警戒が強まっているとすれば、2022年同様に、米国の長期金利の短期的なピークが近いことを示すシグナルの一つではないかと筆者は考えている。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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