「ラストシーンが素晴らしい映画」を映画仲間で言い合ったら......誰もが納得した『プレイス・イン・ザ・ハート』
物語の舞台は大恐慌時代のテキサスにあった小さな町。酔った黒人少年に夫を射殺されたエドナ(サリー・フィールド)は幼い子供2人を抱え、困窮して家を手放さなければならない瀬戸際に追い詰められながら、流れ者の黒人モーゼス(ダニー・グローバー)の提案を信じて広い土地で綿花を栽培することを決意する。
同じ頃に借金の返済を心配した銀行の担当者が、戦争で失明した義弟のウィル(ジョン・マルコビッチ)を、多少の家賃収入になるからとエドナの家に連れてくる。
黒人は差別されて当たり前の時代だった。泥酔して自覚がないままに夫を撃った黒人少年は、すぐに町の白人たちからリンチを受けてつるされ絶命する。これが伏線だ。
この映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞したフィールドはもちろん、俳優たちがとてもいい。特にこれがほぼデビューとなるマルコビッチの抑制された演技が素晴らしい。
エドナと黒人と障害者と幼い2人の子供は、最初はぎくしゃくしているが、すぐに一つの家族のように支え合う。でも南部の保守的な白人の差別意識は、やがてモーゼスにも直接的な暴力として向けられる。
そしてあのラストシーン。いやシーンではない。至福のワンカットだ。






