コラム

選挙に落ちたら、貿易会社の社長になれた話

2016年04月21日(木)11時45分

 以前から持っていた日中両国のメディアでの仕事に、新たに加わった日中間ビジネスの仕事。また、2007年からは故郷の味・湖南料理を提供するレストランを歌舞伎町で経営しているが、その《湖南菜館》にも今や、私と記念撮影したいという中国人観光客が殺到している。お客が入りきらないので、日本の居酒屋にならって、満席時の2時間交代制を導入したほどだ。

「禍福はあざなえる縄の如し」という言葉があるが、まさにその通り。落選という失敗が新たなチャンスをもたらしてくれた。これならば次回選挙への出馬も妻は許してくれるかもしれない(笑)。落選がビジネスにつながるなど、日本人にはなかなか理解できないのではないだろうか。だがこれこそが「中国流」。中国ではなにより個人の信用が重んじられる。報道を通じて私という人間を知ってもらったことが新たな転機につながった。

 今回から新たに始まる連載では、こうした「中国流ビジネス」の機微についても紹介するつもりだ。中国に染まる必要はないが、「中国流」を知って日本の商品、サービスをどんどん輸出して、日本を豊かにして欲しい。そのためのアドバイスを私、李小牧は一切惜しまない。

プロフィール

李小牧(り・こまき)

新宿案内人
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て、88年に私費留学生として来日。東京モード学園に通うかたわら新宿・歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2002年、その体験をつづった『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーとなり、以後、日中両国で著作活動を行う。2007年、故郷の味・湖南料理を提供するレストラン《湖南菜館》を歌舞伎町にオープン。2014年6月に日本への帰化を申請し、翌2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬し、落選した。『歌舞伎町案内人365日』(朝日新聞出版)、『歌舞伎町案内人の恋』(河出書房新社)、『微博の衝撃』(共著、CCCメディアハウス)など著書多数。政界挑戦の経緯は、『元・中国人、日本で政治家をめざす』(CCCメディアハウス)にまとめた。

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