コラム

イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの運用方法が異なる両国、駐車場犯罪を4割減少させたのはどっち?

2025年12月09日(火)12時55分

このように、防犯カメラを設置した地区で犯罪が減ったとしても、それが防犯カメラの影響であると自動的には証明されない。犯罪が減少したのは、その地区の人口が減少したからかもしれないし、景気が回復したからかもしれない。そうした可能性を排除するために、比較対象を設定する必要があるのだ。

さらに、日本の課題として、設置場所の選定の問題がある。例えば、子供の誘拐事件は、基本的に、物色→接触→連れ去りという3つの段階から成る。そのため、公園や道路に防犯カメラを設置するときには、こうした「犯罪者動線シミュレーション」を経て、誘拐犯が最も嫌がるような「場所と方角」を決めることが求められる。

そうした作業なしには、防犯カメラは効果を発揮できず、単なる捜査カメラに成り下がってしまうのだ。なお、犯罪機会論に基づく「犯罪者動線シミュレーション」については、次のページの動画をご覧いただきたい。

プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページはこちら。YouTube チャンネルはこちら

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