コラム

「個人の名声のため」批判をはね返し、世界最大の心臓・肺移植プログラムを設立した英外科医の生涯

2026年02月11日(水)14時57分
ヘアフィールド病院の心臓外科マグティ・ヤクーブ

ロンドン郊外にあるヘアフィールド病院 Peter_Fleming/Shutterstock

<3500件もの移植手術を行ってきたヤクーブ医師の患者の中には、着物姿の少女を含む約30人の日本人も>

[ロンドン発]ロンドン中心部から約30キロメートルのヘアフィールド病院に世界最大の心臓・肺移植プログラムを設立し、3500件もの移植手術を行った心臓外科のマグティ・ヤクーブ医師が伝記『異端の外科医マグティ・ヤクーブの生涯』の出版に合わせ、取材に応じた。

着物姿の可愛らしい少女を含む約30人の日本人患者の移植を行ったヤクーブ医師は「少女は本当に素晴らしく、皆に愛され、移植がいかに美しいものかを示してくれた。地域コミュニティーがヘアフィールド病院に入院した日本人患者の世話をし、互いに交流を深めた」と振り返る。

ヘアフィールド病院にはスウェーデン、ドイツ、イタリア、スペインからも移植を待つ患者がやって来た。しかし世界中にサービスを提供し続けるわけにはいかなくなったため、「各国が自国の患者を診るべきであり、私たちは日本における体制整備を支援する」と伝えたという。

命の贈り物がいかに重要かを示す報道の力が必要

ヤクーブ医師は日本へ行き、京都でセッションが開かれた。そこにはあの着物姿の少女を含むヘアフィールド病院で移植を受けた多くの患者の姿があった。参加した日本の僧侶が「宗教が問題になると言う人がいるが、そうではないことをお話しましょう」と切り出した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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