コラム

なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持した?「イスラム教徒のNY市長」誕生の意味とは

2025年11月06日(木)18時46分

カーン氏は元バス運転手の父とお針子の母を持ち、8人兄弟の5番目に生まれた。低所得者の公営住宅で育ち、20代まで2段ベッドを兄弟で使っていた。人権派弁護士時代にはイスラム過激派を弁護し、現在は穏健左派として公共交通や気候変動対策を推進している。

移民規制を強化するトランプ氏は「カーン氏は世界中でも最悪の市長の1人だ。ロンドンの犯罪がとんでもなく増えている。移民政策に関して彼は災厄だ」とカーン氏を攻撃した。マムダニ氏に対するトランプ氏の攻撃も熾烈を極めた。

トランプ氏「マムダニに票を入れるユダヤ人は愚か者」

「マムダニに票を入れるユダヤ人は『実証済み、かつ自称ユダヤ嫌い』に票を入れるわけで愚か者だ」「共産主義候補マムダニが当選したら、私の愛するニューヨークに連邦資金を出すのは極めて難しくなる。かつて偉大だったこの街が成功する可能性はゼロだからだ」

7月のある世論調査ではニューヨークのユダヤ系住民の43%、44歳未満のユダヤ系有権者の67%がマムダニ氏を支持すると回答した。ユダヤ系米国人の政治意識が変化し、伝統的な親イスラエル政治への支持が薄れていることを浮き彫りにした。

カーン氏は「ニューヨーカーは明確な選択に直面していた。希望か、恐怖か。そしてロンドンで見たように希望が勝った。マムダニ氏の歴史的な選挙運動に心からおめでとうを申し上げる」とマムダニ氏の歴史的な勝利を祝福した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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