コラム

「国に『金くれ』とか言うなよ」という話? 再開された「表現の不自由展」は日本人の心を踏みにじるのか

2019年10月09日(水)18時30分

10月8日に再開された『表現の不自由展・その後』 ANN NEWS-YouTube

動画撮影は禁止、SNSでの拡散は防止

[ロンドン発]国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示が8日、再開されました。14日の会期末まで1週間を切っているものの、「芸術の自由」や「表現の自由」を何とか保ったというメッセージを世界に発信できて良かったと思います。

朝日新聞によると「来場者の手荷物は預かり、動画撮影は禁止、SNSでの拡散防止は『誓約書』を書くほか、身分証明書も確認する厳格なものとなった」そうです。「見るのに1時間、手続きも合わせたら1時間半はかかるのではないか」(芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事)ということです。

座り込んで再開に抗議する河村たかし名古屋市長はハフポストのインタビューに「再開なんていかんね。決まっとるがね、こんなもん。本当に(日本人の心を)踏みにじりますよ。(略)こんな日本人の普通の人の気持ちをハイジャックして。暴力ですよ。そんなことやる人が、なぜ表現の自由なんて言えるんですか?恥ずかしい...」と話しています。

河村市長は開催費用の市負担金約3300万円の支払いを保留する考えです。文化庁も「展覧会の再開とは無関係」とする一方で「事務的な手続きの不備があった」(萩生田光一文部科学相)として補助金7820万円を全額不交付としました。

作家・ジャーナリスト、門田隆将氏はこうツイート。

ベストセラー作家の百田尚樹氏もこうツイートしています。

筆者の目にはこの問題は「表現の自由」というより日本の歴史認識に根ざしているように映ります。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ロシア産への依存は誤り、LNG価格急騰でIEA事務

ビジネス

深セン証取の創業板、改革「ほぼ完了」 ハイテク企業

ビジネス

国連の世界食料価格、2月は上昇に転じる 穀物や植物

ワールド

フィンランドが核持ち込み容認なら対抗措置 ロシアが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 3
    「え、履いてない?」モルディブ行きの飛行機で撮影された、パイロットの「まさかの姿」にSNS爆笑
  • 4
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 5
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリン…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    対イラン攻撃に巻き込まれ、湾岸諸国が存立危機
  • 8
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 9
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story