コラム

日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される

2024年10月30日(水)18時54分

倒産数の増加は本当に悪いことなのか

一般的に倒産数の増加は問題とされるが、一定数の企業が新陳代謝によって交代することは市場メカニズムが健全に機能している証左であり、倒産が少ない状態というのは問題が先送りされていることの裏返しでもある。経営に行き詰まった企業が倒産し、優良企業がその従業員や営業基盤を引き継ぐことは生産性の向上と賃上げにつながる。

幸いなことに今は空前の人手不足であり、企業倒産が増えても失業率が急増するリスクは少ない。粉飾倒産の増加と銀行の融資姿勢の変化は、来るべき時が来たというサインと捉えるべきだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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