コラム

LINEでも無理だった...LINE証券「撤退」が改めて示した、「若者の投資」ビジネスが儲からない理由

2023年06月29日(木)20時00分

資金のない若者では商売にならない

こうした経緯から、資金を持っていない若年層ではとても商売にならないと予想する関係者は少なくなかった。今回の証券業務撤退は、日本において、若年層を相手にブローカレージのビジネスを成立させることがいかに難しいのか、改めて知らしめる結果となってしまった。

ちなみにLINEは証券業務からは撤退するものの、FX(外国為替証拠金取引)については継続する方針だという。FXの場合、投機的な利用者が多く手数料を確保しやすいことに加え、顧客に資金を貸し付けて売買させる信用取引が中心なので、利子収入も期待できる。

回転売買と貸し付けによって顧客から多額の収入を得られる数少ないサービスかもしれないが、基本的に短期売買が中心であり、国民の長期的な資産形成には寄与しない。厳しい言い方になるかもしれないが、結局のところ、回転売買で強引に手数料を稼ぐFXしか残らなかったのが現実である。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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