コラム

米国で早期リタイアを目指すミニマリストの若者が増えている理由:FIRE運動の背景を探る

2019年03月05日(火)14時00分

中には、もう少し年収が低くても、生活水準をより切り詰めることで、何とか資産構築を目指す人もいるようだが、現実は厳しいだろう。特に日本の場合、そもそも年収1000万円を実現すること自体がそう簡単ではなく、株式投資の環境も悪いため、米国と比較するとFIREを実現するのはさらに難しいはずだ。

だが、ITによって高度に合理化された現代社会に一種の行き詰まり感が出てきているのは事実であり、実現可能性はともかくとしてFIRE運動そのものは要注目の動きといえる。一部の識者はAIが社会に普及した場合には、ベーシックインカムの導入が不可欠になると主張しているが、FIRE運動の活発化はこうした議論にも影響を与えるかもしれない。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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