コラム

霞が関が支配する日本の行政、シンクタンクに存在意義はない?

2019年11月12日(火)16時30分

magSR191112thinktank-chart1.png

11月19日号「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集20ページより

確かに、諸省庁に匹敵する情報・識見を持つ学者・専門家はいる。そうした政府外の知は、首相や野党にとって必要なものだ。首相、野党とも諸省庁が提案する政策の代替案、あるいは省庁が見落としている点についての情報を必要としているからだ。しかし、情報・識見を持つ学者・専門家の多くはシンクタンクを通ずることなく、首相官邸や野党と何らかのパイプを持っている。

アメリカや中国、ロシアはシンクタンクが多いが、だからといってアメリカが素晴らしい外交をできているとは思えない。アメリカでも、シンクタンク全体としてよりも個人ベースで政府や議会の「知人」に意見を吹き込むことのほうが多いだろう。中国とロシアの外交は機敏だが、それはシンクタンクがあるからではなく、議会やマスコミを気にすることなく、思うがままの外交をできるからだ。

「シンクタンク」という言葉の高尚なイメージに幻惑される必要はない。要は官僚でも民間でも、どうやって情報収集・分析体制を磨き、それを結集・総合していくか、ということなのだ。

<2019年11月19日号「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集より>

【参考記事】アメリカのシンクタンクが世界を動かす力を持つ理由
【参考記事】シンクタンクにも左派、保守派、独立派があり、その影響力は絶大

20191119issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月19日号(11月12日発売)は「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集。政治・経済を動かすブレーンか、「頭でっかちのお飾り」か。シンクタンクの機能と実力を徹底検証し、米主要シンクタンクの人脈・金脈を明かす。地域別・分野別のシンクタンク・ランキングも。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』など  <筆者の過去記事一覧はこちら

ニュース速報

ワールド

米司法省、コロナ暴落前の議員の株式取引を調査=CN

ワールド

韓国、新型コロナで国民に現金支給 第2弾補正予算編

ワールド

ベトナム首相、都市封鎖に備えるよう要請 新型コロナ

ビジネス

中国人民銀、7日物リバースレポ金利を20bp引き下

MAGAZINE

特集:0歳からの教育 みんなで子育て

2020-3・31号(3/24発売)

赤ちゃんの心と体を育てる「全員参加育児」── 健やかな成長のため祖父母がすべきこと・すべきでないこと

人気ランキング

  • 1

    デーブ・スペクター「日本がオリンピックを美化するのはテレビのせい」

  • 2

    新型コロナ:「医療崩壊」ヨーロッパの教訓からいま日本が学ぶべきこと

  • 3

    一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ

  • 4

    「感染で死ぬか、飢えて死ぬか」北朝鮮、新型コロナ…

  • 5

    日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?

  • 6

    韓国激震 常軌を逸した極悪わいせつ動画SNS「N番ル…

  • 7

    日本が新型肺炎に強かった理由

  • 8

    「中国ウイルス」作戦を思いついたトランプ大統領は…

  • 9

    新型コロナウイルスがあぶり出す日本の危機 自粛ム…

  • 10

    【大江千里コラム】厳戒態勢のNYで考える、「コロナ…

  • 1

    日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?

  • 2

    韓国激震 常軌を逸した極悪わいせつ動画SNS「N番ルーム」事件の闇

  • 3

    日本が新型肺炎に強かった理由

  • 4

    囚人コーチが教える最強の部屋トレ 自重力トレーニ…

  • 5

    新型肺炎で泣き面の中国を今度はバッタが襲う

  • 6

    新型コロナ対策、「日本式」の特徴と評価

  • 7

    イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人…

  • 8

    一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ

  • 9

    10~20代はネットで調べるとき「ググらない」 その理…

  • 10

    ジャパンタイムズ、慰安婦の英語表記を再変更 社長と…

  • 1

    一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ

  • 2

    日本が新型肺炎に強かった理由

  • 3

    韓国はなぜ日本の入国制限に猛反発したのか

  • 4

    フランスから見ると驚愕の域、日本の鉄道のあり得な…

  • 5

    「NO JAPAN」に揺れた韓国へ「股」をかけて活躍した日…

  • 6

    新型コロナショック対策:消費税減税も現金給付も100…

  • 7

    やっぱり日本は終わりだ

  • 8

    ついに日本は終わった

  • 9

    豪でトイレットペーパーめぐって乱闘 英・独のスー…

  • 10

    新型コロナウイルス、感染ショックの後に日本を襲う4…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!