コラム

韓国大統領選の詳細分析:李在明は本当に「圧勝」だったのか?

2025年06月21日(土)18時00分

韓国若年層のジェンダー戦争

背景にあるのは今日の韓国におけるジェンダーをめぐる問題での、若年層内部での対立だ。事実、この選挙では李在明を支持する20代以下の男性が24%であったのに対し、女性は58.1%が彼を支持している。そして両者が競って投票した結果、20代以下の投票率は前回の大統領選挙から5ポイントも上昇した。

だとすれば、韓国における若年層の高い投票率は、彼らの高い政治意識の産物というよりは、ジェンダー間の分裂に直面する危機感の表れだと言える。李在明と新政権は、この若年層が抱える問題にどのような答えを出すのだろうか。その背後にある少子高齢化の問題と合わせて注目したい。


プロフィール

木村幹

1966年大阪府生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科教授。また、NPO法人汎太平洋フォーラム理事長。専門は比較政治学、朝鮮半島地域研究。最新刊に『韓国愛憎-激変する隣国と私の30年』。他に『歴史認識はどう語られてきたか』、『平成時代の日韓関係』(共著)、『日韓歴史認識問題とは何か』(読売・吉野作造賞)、『韓国における「権威主義的」体制の成立』(サントリー学芸賞)、『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(アジア・太平洋賞)、『高宗・閔妃』など。


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